那須川天心、ボクシング転向をめぐる大人たちの“思惑”と転向後の将来性
#ボクシング #那須川天心 #転向
キックボクシングでは39戦39勝、“神童”とも呼ばれる格闘家の那須川天心が10日に放送されたTBS系『炎の体育会TVSP』で、来年3月開催予定の格闘技イベント「RISE」を最後にキックボクシングを引退し、ボクシングに転向することを発表した。
これまで、近い将来にボクシングに転向する意向をうかがわせていた那須川だが、同日の同番組では「那須川から重大発表」と告知され、放送。
番組の最後に事前収録したインタビューVTRが流れ、ボクシング転向を表明した格好だが、転向時期を明言したのは今回が初めて。今後出場するキックボクシングの試合は最少で2試合、最多でも4試合の予定で、さらには転向した来年の早い段階でのボクサーデビューを目指していることも明かした。
「TBSといえば、かつてボクシングの亀田3兄弟を取り込み、高視聴率の番組を制作していたことでも知られている。その時の“成功体験”が忘れられないのか、不定期ながら深夜帯でそこまでメジャーではイベントではない『RISE』で天心戦を中心に放送、ボクシングに転向した場合、天心を囲い込もうと画策しているようだが……」(テレビ局関係者)
以前から格闘技系のメディアなどでは、天心に対してボクシング技術を指導しているのが、都内に自身のジムを構える現役時代に3度の世界戦に挑戦した、往年のボクジングファンには名前が知れた葛西裕一氏であることが報じられている。
ただ、葛西氏との師弟関係もあるため、TBSがいくら天心を囲い込もうとしても、それはかなり難しいようだ。
「葛西氏がもともと所属していたのはこれまで数多くの世界王者を輩出した帝拳ジム。数年前、天心はすでに帝拳から2000万円の支度金を提示されてボクシング転向をオファーされたが、その時点では『まだまだやり残したことがある』と断っていた。転向後、天心の試合のマッチメイクを帝拳が手掛けることになりそう。ただ、帝拳は日本テレビとのパイプが太い。亀田家は異例の〝反・帝拳〟だったので、TBSが囲い込むとこができたが、天心を囲うのは難しいだろう」(ボクシング担当記者)
そして、ひそかに話題になっているのが転向後の将来性だ。日本の格闘技史上、キック王者がボクシングに転向し世界王者となった前例はない。
「元プロの目線から言えば、天心の武器はスピードで、これまでもそれで相手を翻弄して来た。しかし、そこまでパンチ力はないので、マッチメイクでいかにうまくやるかがカギだろう。天心よりも先にボクシングに転向し、先日デビュー戦で相手をKOした、元K―1王者の武居由樹の方が天心よりパンチ力があって、ボクシング向きではある」(元ボクシング日本ランカー)
天心といえば、今年6月ごろにも、Kー1王者・武尊とのビッグマッチ実現が期待されているが、すでにボクシング転向を表明してしまっただけに、かなりのプレッシャーになりそうだというのだ。
「キックで無敗のまま転向すれば売り出す方としては最高だが、1敗でもしたら“商品価値”は大暴落。武尊戦が実現しない可能性もありそうだ」(前出のテレビ局関係者)
那須川はキック引退に向けて、これまでよりも濃厚な日々を過ごすことになりそうだ。
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