ZORNとKOHHが共演した幻の曲も特典に! 上野アメ横発ヒップホップCD屋「CASTLE RECORDS」の大きすぎる功績
#KOHH #ZORN #CASTLE RECORDS #上野 #G.O
流通していない膨大な特典の曲
――先ほど特典の話が出ましたけど、CASTLEといえば、独自の特典カルチャーを作り上げたと思うんです。もちろん、disk unionやWENODにも特典とかはありますけど、CASTLEはまた特別だった。
G.O それはありますよね。特典に付ける曲は全部新録でしたから。もし俺がKOHHやZORNぐらい売れるアーティストなら、例えば自分のアルバムをCASTLEで特別な形で売るという選択もあったかもしれない。だけど、俺はそこまで店に還元できるアーティストではない。ただ、友達は多いし、人と人をつなげることはできるから、そこにフォーカスした企画を代表が考えてくれた。それが、特典に付ける新録の楽曲やリミックスだった。リリースするアーティストと自分が作ったり、あり得ない組み合わせを実現させたりするのがコンセプトだった。「CASTLEの特典じゃなかったら、このメンツ集まんねぇだろ」というのをやりたかった。実際に、この10年の間に特典でやらせて貰った曲は100曲を超えています。
――えぇぇ、そんなに作ってるんですか! すごい。それを集めて作品化したら、聴きたい人は多いんじゃないですか。
G.O まさに最初の頃、そういう商売を考えちゃったんです。だけど、特典の曲をまとめて出そうかと考えているときに、それを匂わせたツイートをしたら、コアなファンの人からツッコミが入って。付加価値である特典のためにCASTLEでわざわざ買ったのに、あとでリリースするのはおかしい、と。確かにその考えも一理あると思って、商売にするのは封印したんです。だから、特典のために気持ちで曲を作ってくれたアーティストの人からも当然「あの曲を出したい」と頼まれることがありますけど、ほぼほぼ頑なにお断りしている。それで、正規で流通していない幻の曲が多い。それこそ、ZORNが『サードチルドレン』(14年)のリリース時にKOHHをフィーチャリングした特典の曲「ジャパニーズHIP HOP不適合者(CASTLE REMIX)/ ZORN feat. KOHH Pro. OMSB」とかもそうです。ZORNのヴァースはあったので、KOHHが新録だったんですけど、昭和レコード(当時のZORNが所属していたレーベル)側から「この曲を特典で出していいの?」みたいな反応がありましたね。
――CASTLEの特徴として、今お話にあった特典の楽曲の扱い方にしてもそうですけど、音楽好きやファンの目線を大事にしていますよね。
G.O 昔の渋谷とかのレコード屋の横柄なスタンスってあったじゃないですか。客に対して上から目線やタメ語で話してくることもあって。自分たちはBボーイのそういうネガティヴなイメージを払拭したかったし、一般の人たちが来られるお店にしたかった。なので最初に、「いらっしゃいませ!」も含めて当たり前の接客態度でしっかりやっていこうと思っていました。ただでさえBボーイのお店は敬遠されがちだったと思うけど、それは時が経つにつれて払拭できたと思います。
――CASTLEが、日本語ラップや日本のヒップホップのリスナー層を広げた功績は大きいんじゃないでしょうか。
G.O そう言ってもらえると嬉しいですね。それが、CASTLEの良さかなと思う。この間、ISH-ONE君が次のようにつぶやいてくれたけど、ああいうのは嬉しいですよね。
今みたいに配信がまだまだだった時代。BOOTSTREETや上野のキャッスルレコードで売れていることが東京のイケてるラッパーの基準だった。HEADZが上野に行く理由だった。
オレたちのCDも常に売り切れ。
プレイヤー皆世話になりました。
まだ新しいオモロいこと期待してる?@castlerecords ?— ISH-ONE@ISH_ONE) March 2, 2021
これまで、ヒップホップが自分に与えてくれたものはシーンに還元することをコンセプトにしてきましたけど、今後も新しいお店から新しい流れを作り出して。また違った形で還元していきたいなと考えています。
<INFO>
新店舗「CASTLE RECORDS」(CDショップ&バー)
住所:東京都文京区湯島3-38-10 ハニービル4F
電話:03-6240-1190
ウェブショップ:https://www.castle-records.net/
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