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新型コロナで男性育児加速? 見守りから遊び、おむつ替えまで! 育児に特化した「ベビーテック」(前編)

市場拡大するベビーテック事例

新型コロナで男性育児加速? 見守りから遊び、おむつ替えまで! 育児に特化した「ベビーテック」(前編)の画像2
『LOVOT』公式サイトより

 近年、育児に参加する日本の父親たち(母親も含む)の“強い味方”が登場し始めている。テクノロジーだ。育児や子育てに特化したテクノロジーは「ベビーテック」と呼ばれており、市場参入を果たす企業や新商品が増え始めている──そう言われても、ぱっとイメージしにくいと思うので、まずいくつか実例を紹介していきたい。

 最近、テレビなどメディアにたびたび登場する有名商品に、ロボットベンチャー、GROOVE X製の家族型ロボット『LOVOT』(らぼっと)がある。かわいらしい動物のようなフォルムのLOVOTには、360°カメラ、マイク、照度センサー、サーモグラフィなど先端機器が搭載されており、人やその声を認識することができる。また10億通り以上の瞳や生き物のような鳴き声を発する機能も備わっており、人間に働きかけたり、リラックス効果を与えることもできる。自律走行で障害物を避けて動き、充電が必要になるとルンバのように充電器まで自動で移動していく。LOVOTは、いわゆるコミュニケーションロボットと呼ばれるカテゴリーの商品だが、子どもの情動・社会性の育成につながる可能性があるという将来性が評価され、「BabyTech Award Japan 2020」の学びと遊び部門で、大賞を受賞した。

 もちろん、ベビーテックにはコミュニケーション用途以外にも多くのバリエーションがある。

 代表的なのはベビーモニターだ。日本の有名どころでは、パナソニックが『KX-HC705』という商品で市場参入している。一般的にベビーモニターは、寝ている子どもの様子をモニタリングしたり、体の動きや泣き声などを認識し両親に伝える機能を備えている。なかには、子守歌や波の音など、赤ちゃんをリラックスさせる機能を持ち合わせた商品もある。

 なおベビーモニターは、赤ちゃんと両親が一緒に寝ることが多い日本ではそれほど家庭に普及している感がないが、別々に寝ることが多い欧米諸国ではとても重宝されていてすでに大規模な市場になっているという。実際、日本でも核家族化が進み、祖父母や親せき、また地域のコミュニティなど「赤ちゃんを見守る目」が減ってきていることも事実。子育て世代の負担が高まるなか、関連テクノロジーおよびサービス需要は確実に高まると予測される。

 さらに一歩進んで、子どもの睡眠時の呼吸をモニタリングするIoTマットレスなる商品もある。生体センサー開発を手掛けるベンチャー企業、リキッド・デザイン・システムズが販売している、『Baby Ai』がその一例だ。

 同商品は、呼吸が低下・停止した際に音と振動で知らせる機能を持つ。もともと、保育園のお昼寝モニタリングツールとして製造・販売されていたが、家でも使用したいという要望があり、家庭用の商品もリリースされたという。現在は産院など医療機関にも導入が進んでいる。

 IoT×ベビーテック関連では、「IoTおむつ」の存在がとてもユニークだ。パンパースを販売する大手メーカー・P&Gが、20年に『Lumi』という商品をお披露目。小児科医とともに共同開発した商品で、おむつ交換のタイミングや睡眠状態を、スマートフォンを通じて知らせてくれる機能を持つ。仕組みとしては、おむつに貼ったセンサーパッドが濡れを検知し通知、一方で付属しているカメラとアプリが連動しモニタリング機能を果たすというものだ。

 値段はセンサー1台、紙おむつ約10日分、ビデオモニター1台がセットとなり349ドル(約3万8000円)だ。少々お高い気もするのだが、ポピュラーになり量産化されることで値段が安くなることを期待したい。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2023/01/26 18:32
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