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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  >  天才せいやとの最強コンビ霜降り明星の底力

“第7世代”の進化には、粗品のレベルアップが必要? 天才せいやとの最強コンビ霜降り明星のポテンシャル

粗品は“うまい”人であって、天才ではないワケ

 せいやが天才だという根拠は後で述べるとして、粗品がダメだと言っているわけでは無いということはわかってほしい。

 粗品はアマチュア時代からある程度のコンテストである程度の実績を残し、プロの芸人になってからは2013年辺りからR−1で準決勝や決勝に進出する存在度なっている。

 戦績を見るとコンビを組んだ時代に格差があったのも頷けるが、粗品の才能にはどことなく違和感を感じていた。

 それは芸人としての天才ではないというところ。

 僕はカラオケが上手い人間には2種類あると思っている。

 ひとつは元の歌手に似せて歌う事が出来るモノマネタイプと、元の歌手には似ていないがその人のオリジナルの上手さを発揮できるタイプ。

 粗品は間違いなく前者の歌手に似せて歌うタイプである。

 ピン芸も漫才でのツッコミも、番組でのMCもどこかで誰かがやっていたようなネタや手法に見えてしまうのだ。

 粗品の代名詞ともいえる『体言止めツッコミ』。言葉の名詞で終わらせたり言いきったりするツッコミに独特のポーズ。

 いかにも粗品オリジナルで、粗品が編み出したように感じるのだが、実はそうではない。

 この体言止めツッコミは、漫才やフリートークでツッコミをする芸人が手法のひとつとして昔から使われている。誰がやっていただろうと考えたが覚えていない。つまりそれくらいオーソドックスな手法で特定の人間が使っていたような専売特許的ツッコミでは無いのだ。

 その手法に目を付けた粗品がピックアップし、それを強調することによりオリジナルのツッコミと化したのだ。

 もちろん、モノマネがダメだと言っているわけでは無い。自分の代名詞に出来るのは凄い事で、さらには印象に残るワードセンスを持ち合わせているというのも才能である。

 しかし完全オリジナルでは無いという事実は変わらないのだ。

 「M-1グランプリ2020」決勝に進出した『東京ホテイソン』というコンビも、似たような手法を使っており、かねてから指摘されてきた。

 さらにはTik-Tikで粗品がオリジナルで作った動画もあるが、それもやはりどこかで見たような作品を踏襲しているように感じた。

 さらに最近では番組のMCをすることも多くなった霜降り明星だが、粗品の司会進行は、正直、そんなに印象に残らない。

 これについては、オーソドックスで、MCを思い描いた時に誰もが最初に浮かぶイメージのような司会をしているからだ。あの若さでそつなくこなすというのはとても才能があり、本来あるものを自分なりに変化や進化させ自分の技術としている粗品は間違いなく才能がある。

  つまり彼は天才ではなく、経験と勉強で才能を発揮する秀才なのだ。

 そう考えて最近のネタを見ると、得意とする『体言止めツッコミ』を昔のように乱打することは無く、必殺技のようにここぞというタイミングで披露し、特別感を演出している。

 粗品を見ていて昔、僕自身がツッコミをやっているときに事務所のマネージャーさんに言われ、それをずっと念頭においていた言葉があった。

「ボケは一生変わらない。ツッコミが成長しなければコンビの成長は無い」

 まさに粗品の成長のコンビとしての成長に繋がっていて、粗品がさらなる経験を積み、ツッコミのフレーズやテクニックを増やし、先人たちの技をブラッシュアップした時に天才と肩を並べる存在になるはずだ。

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