五輪不参加第1号は北朝鮮 その思惑と追随する国は?
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ついにというべきか、日本が恐れていた東京五輪不参加表明国の第1号が登場した。正式発表ではないものの、不参加の方針を表明したのは北朝鮮。日本からほど近く、深い因縁のある北朝鮮だが、謎多き国の思惑はいったい何なのか。
第3波も収まらぬうちに、早くも第4波がやってきたコロナ禍の日本にさらなる悲報が伝えられた。北朝鮮体育省は6日、同省のウェブサイトにて不参加が決定したと発表。理由としては「新型コロナウイルスから選手を守るため」と述べられている。
「北朝鮮が五輪に参加しないのは2014年のソチ冬季五輪以来。ソチ五輪は出場権を得た選手がおらず、推薦枠での出場を目指しましたが、認められませんでした。夏季五輪はロサンゼルス(1984年)とソウル(1988年)が不参加で、その後は全大会に出場しており、今回不参加なら8大会ぶりとなります。
北朝鮮のコロナ感染者数は、表向きにはゼロ。もともと国境が厳格に閉ざされている上、完全な独裁体制なのでロックダウンも容易で、拡散防止のコントロールはしやすいですが、関係者の間でゼロという数字を鵜呑みにする人はいません。隔離者が出ているという情報もあり、厳しい情報統制が行われているようです。
北朝鮮は防疫のために他国との物資の流通を厳しく制限しており、そこに経済制裁も加わって、食糧や医薬品不足は深刻。不参加を表明することで、何らかの条件を引き出そうという政治的思惑もあり得ますが、ただ単に選手を派遣する費用が無く、コロナを持ち帰ってしまったら対処する術がないのではという見方が大勢を占めています」(朝鮮半島情勢に詳しいジャーナリスト)
6日にはアメリカのプライス報道官が、中国の人権問題を理由に「北京冬季五輪ボイコットの可能性を排除しない」と発言。五輪参加の可否が世界的な関心事となっている。日本にとっては悪夢のシナリオだが、北朝鮮に追随する動きが発生する可能性は高い。
「昨年、写真誌『FLASH』が、各国の五輪委員会に五輪参加の可否を問うアンケートを行ったところ、ラオスが『我が国から、コロナ禍の五輪に選手を派遣することはないと考えています』と、答えています。アフリカの経済状況が深刻な国も、コロナを持ち帰ったら“ジ・エンド”ですから、出場を見合わせる例は出てきそう。また、世界人口2位のインドの感染者数が急増しているのも気がかりで、直前に“ドタキャン”するような国も出てくるでしょう」(キー局スポーツ局関係者)
五輪開幕まではおよそ3カ月。すでに観客受け入れを断念することは決まったが、最高のアスリートが集う大会になる可能性は薄くなってきた。
「例えばリオ五輪では、ゴルフの松山英樹が『ジカ熱』などを理由に出場辞退したように、コロナを理由に個人単位で出場を見合わせる例は続出するでしょう。具体的に言えば、五輪の金メダルが最高の勲章ではないテニス、ゴルフ、サッカー、バスケットボール、自転車のロードレースといった種目のトップ選手は、無理して五輪に出るよりも、“本業”へのリスクが少ない道を選ぶはず。ビッグネームがドミノ式に『オレもオレも』と、不参加を表明する時期が来るでしょう」(週刊誌スポーツ担当記者)
一度は減少傾向だった東京の感染者数も、再び増加傾向に転じている。「本当に開催できるのか?」と気を揉む状況は、まだしばらく続きそうだ。
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