『鬼滅の刃』成功は必然だった―先行投資と芸能界重鎮へのパイプがつくり上げた“ソニー帝国”の軌跡
#新型コロナウイルス #存在感 #SME
近年はインターネットの普及やSNSの発展、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により不況が続いてる芸能界だが、業界の不振をよそにますます存在感を増しているのが、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)だ。
2018年3月期決算では約1000億円もの増収を達成すると、20年3月期の決算発表では2886億7600万円の総資産を記録している。
実際、最近のエンタメ業界を振り返ると、子会社の株式会社アニプレックスが製作を手掛けて昨年10月に公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が一大ブームを築き、同年12月に発表された『輝く!日本レコード大賞』では同映画の主題歌で、SME子会社の株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ所属、その傘下レーベルSACRA MUSICのLiSA『炎』が年間大賞を受賞。
さらに、20年大晦日の『NHK紅白歌合戦』をソニー系レーベル所属アーティストで見ると、LiSAのほか、郷ひろみや鈴木雅之、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46、Little Glee Monster、Foorin、NiziU、JUJU、miletが出場。今年に入ってからもソニー・ミュージックアーティスツが、前所属事務所からの独立騒動が注目を集めた人気若手女優の森七菜の業務提携先に決定するなど話題には事欠かない。
もっともその隆盛は近年に始まったことではなく、音楽業界では古くから“ソニー帝国”は別格という見方が根強くあるようだ。
大手CD、DVD販売チェーンのベテランバイヤーはこう明かす。
「他のレコード会社は大半が『店舗に置かせてもらう』というスタンスで、店に出荷した商品がお客さんに買われた段階で初めて売り上げが立ちます。他社もアーティストによってはそうでしょうが、ソニーに関しては売れる、売れないに関わらず基本的に他社んみ比べ買取となるケースが多い。よほど商品に自信があるのか、“ソニー帝国”ならではの強気なスタンスですよね」
こうした手法は出版業界でも老舗や大手出版社に見られるが、そんなソニーの天下は1970年代にまでさかのぼる。
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