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『チコちゃんに叱られる!』大竹まこと大暴走の神回「俺のことか、この野郎!」 

キレ続ける審判

 打ちやすい球を頑なに投げないピッチャーに対する審判の不満は、遂に爆発。「お~い、お前はさっきからズルい球しか投げないじゃないか! お前の球はアンフェアボールだ!」という怒りが「ボール」が生まれたきっかけとなった。打ちにくい球に対して審判が「アンフェアボール」と忠告するようになり、それが略されて「ボール」になったということ。でも、他に言い方はなかったのだろうか? だって、アンフェアを外して「ボール」に縮められても意図が全く伝わらないし……。そこは「ボール」を略し、「アンフェア」を残して縮めるべきだと思う。真意を含む単語のほうが消えたのが謎だ。

 それにしてもである。審判は「打てよ!」「ちゃんと投げろよ!」とキレまくっているし、ルールの抜け道を探して姑息に勝とうとする者が現れるし、振り返るとなかなかにひどいスポーツだと思う。

バッター  「もう、いい球来るまで俺絶対に打たないからね!」
ピッチャー 「俺だって、そうやすやすと打たれてたまるか!」

 こんな選手が増えたため、審判は「アンフェアボール!」「打てよ、お前!」とキレ続けた。さらに、日没までに決着のつかない試合はドンドン増えていった。今も長い野球の試合だが、この頃はもっと長かったのだ。本当、テンポの悪いスポーツだな……。だからこそ、泥仕合にならないようアンフェアボールを9球投げたら出塁できるというルールが後に生まれた。現在のフォアボールの始まりである。また、3球いい球を見送ったり空振りしたりするとアウトになるルール、三振も後に生まれた。こうして、野球は“打つのが当たり前のスポーツ”からピッチャーとバッターの駆け引きを楽しむスポーツへと変わっていったのだ。

 ちなみに、「アウト」は「ストライク」や「ボール」より先に存在したルールだそう。審判が選手に「これ以上プレーできないのでフィールドから出て行きなさい」という意味で「アウト」と言うようになったのだ。

 VTRが終わり、「忘れられない一球はなに?」と質問を受けたチコちゃんは「“怪物”江川が引退するきっかけとなった広島カープ・小早川への一球です」と回答した。若き日の小早川に渾身のストレートを投げたものの簡単にホームランで打ち返され、江川が引退決意した野球史に残る一球のことである……って、チコちゃんは一体何歳なの!? スポーツ好きの50代でしかありえない思い出だ。

 ちなみに、今夜放送『チコちゃん』のゲストは松下奈緒と伊集院光。伊集院は『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)の常連ゲストなので、てっきり『チコちゃん』のほうには出ないものと思っていた。伊集院が「つまんねーヤツだな~」とチコちゃんをスネさせる展開を、是非とも期待したい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/04/02 17:00
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