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『チコちゃんに叱られる!』大竹まこと大暴走の神回「俺のことか、この野郎!」 

野球の「ストライク!」の起源、客席からの野次とほぼ一緒?

 この日2つ目のテーマは野球についての疑問だった。何しろ、この回が放送された3月26日はプロ野球2021シーズンの開幕日である。問題を出す直前、チコちゃんは「チコがピッチャーやるからあなた審判やってくれる?」と大竹にお願いし、そして大きく振りかぶった。

チコちゃん 「行くわよ? 『振りかぶってー。チコ、投げました。ど真ん中のストレート。バッター、手が出ない!』。はい、審判!」
大竹    「ボール!」
チコちゃん 「なんでやねん、ど真ん中や!」
大竹    「審判は審判だもん、だって!」
チコちゃん 「なんでこの人を指名したのよ、スタッフ!」
大竹    「『俺がルールブックだ!』と言った有名な審判がいるんだから!」

 相変わらず、大竹は傍若無人である。そして、筆者は2008年5月17日の千葉ロッテ VS オリックス戦を思い出してしまった。あの日の試合では、「顔つきが(審判への)侮辱行為」という凄い理由でオリックス所属、タフィ・ローズを退場処分にした審判がいたのだ。我の強い審判は意外に少なくない。

 兎にも角にも、2つ目のテーマは「野球のストライクってなに?」というものだった。いや、ストライクはストライクでしょう! そして、チコちゃんが発表した正解は「審判の不満の声」だった。なんとも斜め上の答えである。こんなの当たるわけがない!

 そもそも、ストライクとは「打つ」という意味の単語だ。そして野球の審判が言うストライクも、やはり「打て!」という意味である。現在の野球のルールの基礎はアメリカで1845年に生まれており、当時のルールだとピッチャーはソフトボールのように下手投げだった。しかも、バッターがリクエストしたコースに打ちやすい球を投げ、打ち返すのが当たり前のスポーツだったのだ。バッターが打つのは大前提。だから、現在のように見送った球をストライク or ボールで判定する必要はなかった。

 ここで始まったのは、「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場 グラウンドの中心で打て!と叫ぶ~ストライク誕生物語~」である。出演者は、バッター:モーリー・ロバートソン、ピッチャー:チャド・マレーン、審判:厚切りジェイソンという無駄に豪華な外タレ(?)たちだ。

「さあ、今日もバンバン打ちまくってエキサイティングな試合にして、ささっと終わらせましょう!」(審判)

 当時の野球は、先に21点を取ったほうが勝ちというルールだった。そのため、得点が入らないと試合が一向に終わらない。スムーズに試合を進めることも審判の大事な役割だったのだ。というか、21点取らなきゃいけないなんて選手にとっても地獄だと思う。試合が終わるまで、何時間必要なのか!?

 ある日の試合で、「どうしてもヒットを打ちたい」と願うバッターが現れた。実はこの男、奥さんに「ヒットを打てなければ晩ご飯抜き」と言われていた。この男は、自分がヒットを打てる場所に球を投げるようピッチャーに何度も要求した。でも、言う通りにピッチャーが球を投げても見送り続けた。当時のルールでも空振り3回はアウトだが、見送りに関してはいくらやってもアウトにはならなかったのだ。どうしても打ちたいこのバッターは得意な球が来るまで平気で見送り続けた。いつまで経っても打とうとしないバッターに、遂に審判の不満が爆発する。

「これじゃあ、いつまで経っても試合が終わらないじゃないか。いい? 野球というのはね、ピッチャーがいい球投げる、そして、バッターがいい球来たらドンドン打つスポーツ! なのに、いい球来たのに全然打たない。Why baseball people、おかしいだろう! いい球来たら打てー! 英語で言うとStrike!」
「Strike!(打て!)、Strike!(打て!)。お前、いい加減にして打てよ! ストラーーイク!」

 これが「ストライク」誕生の瞬間である(実際にこういったシーンだったかは不明)。いつまでも打たないバッターに対する審判の「Good ball Strike!」という不満の声がきっかけだったのだ。というか、これって「その球見逃すなよ!」と激昂する観客席のファンと同じだ。フィールド上から野次を飛ばしているだけに思えてきた。

 こうして、いい球が来たのに打たない打者へ「グッドボール、ストライク(いい球だ、打て!)」と忠告することがルールとして定められた。これが、「ストライク」の語源である。ということは、今の野球は空振りの度に「打てよ!(ストライク!)」と言っているようなものか? あと、ボーリングの「ストライク」がどういう意味なのかも気になってきた。「打てよ!」だと文脈がおかしいし……。それから少しの時が過ぎ、「ボール」誕生の瞬間も訪れる。

審判   「お前さあ、今日いい球来たらドンドン打てよ!」
バッター 「俺はねえ、血の滲む努力をしてきたわけ。バットが届くボールだったら必ず打つ、今日は。必ず打てる!」

 しかし、このときに登板したのは「勝つために打たせたくない」と願うピッチャーだった。「ここら辺にボールを投げて」とバッターは要求するが、ピッチャーは全然違う場所へボールを投げ続ける。

審判    「打てよ!」
バッター  「今のは無理だよ! 今のはちょっと変なボール。いやあ、ちょっとおかしいかな」
ピッチャー 「勝つためには打たれへんかったらええのや!」

 バッターからのリクエストをピッチャーはずっと無視し続けた。というかそれより、チャドがむちゃくちゃ女投げなのが気になるな……。

審判   「打てー!」
バッター 「あいつが変なほうばっかり投げるから打てねえよ!」
審判   「これじゃ、いつまで経っても試合が終わらないんじゃないか。Why baseball people、おかしいだろう! お前が投げる球はバッターが打てないズルい球だ! 英語で言うとUnfair ball(アンフェアボール)! 」

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