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2021年上半期ブレイク芸人、鬼越トマホークとニューヨークの強みと弱点は?

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鬼越トマホーク(吉本興業公式サイトより)

 毎年のようにニュースターが登場するお笑い界。2021年もすでに4分の1を消化し、俄然テレビで見る機会が増えたのが、鬼越トマホークとニューヨークだ。両者は、NSC(吉本総合芸能学院)の同期という間柄。芸人は浮き沈みが激しい世界だが、果たしてどちらが生き残るのか。

「強面のルックスの鬼越トマホークはNSC(吉本総合芸能学院)を首席で卒業し、芸風もその時から基本的に同じ。業界内では早くから高く評価されていましたが、得意のネタが“ケンカ芸”という特殊なものだったため、ブレイクには少し時間が掛かりました。一方のニューヨークは、東京吉本の中心メンバーとして活躍し、芸人仲間に『吉本に推されている』と言われるほど期待されてきたコンビ。2月にライブの配信チケットが1万枚売れたニュースは、お笑い界で大きな話題となりました」(芸能事務所関係者)

 昨年のお笑いのトレンドは、ぺこぱ、ミルクボーイ、ティモンディなど、“人を傷つけない笑い”だったが、毒舌が売りの鬼越トマホークや、偏見と皮肉が持ち味のニューヨークはそれらとはある意味で対極。これも両者のブレイクには好都合だという。

「近年はネタや芸が消費されるスピードが本当に早く、短いスパンで結果が求められる時代。『コロナ禍で、人を傷つけない笑いが受け入れられた』と評されてきましたが、すでに潮目は変わりつつあり、“毒”がある彼らは流れを変えるには適任です。善人キャラの芸人がいて“悪キャラ”もいれば、笑いにダイナミズムが生まれますし、構成作家もストーリーを描きやすい。重宝されてしかるべきでしょう」(バラエティ番組制作関係者)

 ただし、時流に乗れたからといって、そのまますんなり大ブレイクするほどお笑い界は甘くない。これまで数々の一発屋や消えていった芸人を見てきたベテランお笑いライターはいう。

「鬼越トマホークに関して言えば、露出が増えたことでケンカ芸が“お約束”になってしまった。こうなると、『○○さんが××って言ったらケンカをお願いします』みたいな雑な指示がカンペで飛んでくるので、それをどう捌くかがポイントです。あのネタは一見、即興でやっているようで、実際は綿密なネタ作りや許可取りが必要なので、多忙になるとクオリティが心配です。

 一方のニューヨークは、ロケもできれば平場のトークもでき、ひな壇で裏回しもできますが、お笑いファンだけを相手にしていた時期が過ぎ、より広い層を相手にするようになった時、皮肉が通じるかという不安はあります。また、『ニューヨーク』という単語が一般的すぎて、ネット検索が大事な今の時代にはそぐわない。くだらないことのように聞こえますが、“上”を目指すには明らかにハンデになるでしょう」(お笑いライター)

 勢いに乗る彼らなら、こんな指摘も毒舌や皮肉で吹き飛ばしてしまうかも?

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2021/04/02 13:00
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