ファンのアンケートがお笑い芸人のメンタルを追いこむ… 元芸人が解説する売れっ子が抱えるネタと精神のジレンマ
#お笑い芸人 #かが屋 #メンタル #ジレンマ
今回もいつもどおり、昨今の芸人についての分析だが、センシティブな話題であり、芸人の心と体のバランスについて深く考えさせられる出来事があったので、それをコラムにしたいと思う。
3月5日放送の「かが屋の鶴の間」(RCCラジオ)というラジオ番組で2020年8月から体調不良の為に長期療養していた、”かが屋”のメンバーである加賀翔さんが仕事復帰を果たした。
療養中の生活について、彼はこう語った
「ずっと歩いていた。ちょっと良くなりだしてから、10月……寒くなってきたかなという時から歩き始めて。昼夜逆転していたから、深夜と早朝に歩いていた」と。
いったいどういった体調不良だったのかと調べてみたが、20年8月に所属事務所が出したコメントは「弊社所属の『かが屋』の加賀翔ですが、既にお休みさせていただいているところもございますが、暫く療養をしながら仕事を継続することをご報告致します。」という明言を避けたものだった。
ほかにも憶測で病状を示唆するような記事はいくつか見かけたが、病名や体調不良の原因についての確かな情報はどこにも記載がない。僕が見つけた記事の大半は、加賀さんの本来のストイックな性格や精神的なプレッシャーを感じていたという情報を元に、精神的な疾患について推測するようなものだった。
ネットなどの記事に書かれている情報の多くは記者の憶測や私見も含まれているのだが、それらの記事を読むと、そういった理由で休養していたのではないかと思ってしまうものだ。
「5人に1人は一生のうちなんらかの精神疾患になる」と言われている現代。病状やきかっけは人それぞれだが、ちょっとしたことで、バランスを崩してしまうことは珍しくなくなった。
華やかな世界で生きているように見える芸能人、著名人も例外ではない。例えば、俳優などマルチな活躍をされているユースケ・サンタマリアさん。30代でうつの症状が現れ8年も続いたそうだ。
自身はテレビの仕事を楽しんでいるものの、心の奥では「身の丈に合っていない」「一般人なのに芸能界にいる」と感じ、居心地の悪さからくるストレスが引き金となったらしい。
また芸人でも、精神疾患で苦しんでいる人は多く存在する。
大々的にうつ病だと報じられたナインティナインの岡村隆史さんや、椎間板ヘルニアの手術がきかっけでうつ病を発症したネプチューンの名倉潤さん。なんとあの松本人志さんも震災後、軽いうつ症状が出ていたらしい。
若手の頃に精神疾患になる芸人も少なくない。ノンスタイル石田、キングコング梶原。
そして「感じるジャッカル」(フジテレビ)というコント番組でご一緒させて頂いていた中川家の剛さんも、パニック障害から回復したと公言していた。
コントとコントの間の待ち時間に、失礼ながらもどのような状態だったのかを中川家のおふたりに聞いたことがあった。礼二さん曰く、剛さんが突然仕事現場からいなくなったり、連絡がとれず仕事に穴をあける事態が増えだし、「これは何かが変だ」と感じたそう。
当の本人の剛さんは仕事に行こうとすると震えがおきて止まらず、電車に乗ると呼吸困難になってしまう。結果、外に得るのが怖くなり家にこもるようになったと仰っていた。当時、パニック障害という病気は今ほどメジャーなものではなく、情報が少ない故にどれほど恐怖を感じただろう。
過去の状況を話しているとき、かすかに剛さんの口ぶりが震えていた。その姿は衝撃的で今でも鮮明に覚えている。
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