ロック史で最も悪名を馳せた北欧バンドの伝説! 悪魔崇拝が招いた結末『ロード・オブ・カオス』
#映画 #R18 #ロード・オブ・カオス #メイヘム
北欧のメタルシーンを誰よりも知っていた監督
一時期は園子温監督が映画化することが囁かれていた「メイヘム」の伝説は、結局はスウェーデン出身のジョナス・アカーランド監督が撮り上げた。アカーランド監督自身、メタルバンド「バソリー」のドラマーとして活躍し、その後はオジー・オズボーンやローリング・ストーンズらのミュージックビデオの監督を務め、映像の世界でキャリアを重ねてきた。「メイヘム」のボーカルだったデッドとは、生前に交流があったそうだ。
当時の社会状況や北欧のメタルシーンをよく知るアカーランド監督が撮ることで、無駄な脚色を加えることなくドラマ化されている。登場人物たちを嘲笑することもなく、でもシリアス一辺倒でもなく、若者たちの過剰なエネルギーが招いた青春時代の痛みを生々しく描いてみせている。
連続放火、爆弾所持、殺人などの罪に問われたヴァーグだが、15年間の服役で仮釈放され、現在はフランスで暮らしているとのこと。ボーカルとギターを失った「メイヘム」は、一度は解散するもその後再結成し、ブラックメタルの大御所バンドとして活動中だ。そして早逝したデッドとヨーロニモスは、混沌世界の王として祀られている。
誰もが生と死が隣り合わせとなった、危うい狭間を渡り歩く時期がある。アカーランド監督は運よく、その危うい時期を生き延びることができた。『ロード・オブ・カオス』は大人への通過儀礼の門を潜ることを拒んだ、かつての仲間たちを弔うための映画ではないだろうか。
『ロード・オブ・カオス』
原作/マイケル・モイニハン、ディードリック・ソーデリンド
監督・脚本/ジョナス・アカーランド 音楽/シガー・ロス
出演/ロリー・カルキン、エモリー・コーエン、ジャック・キルマー、スカイ・フェレイラ、ヴォルター・スカルスガルド
配給/AGMエンタテインメント、SPACE SHOWER FILMS R18+ 3月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかロードショー
c)2018 Fox Vice Films Holdings,LLC and VICE Media LLC
https://lordsofchaos.jp
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