『フリースタイルティーチャー』般若を彷彿とさせる“本命”ボイメン水野と“対抗”末吉9太郎
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3月17日放送『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)にて、「男性アイドルラッパー育成SP」総当たり戦の2週目が行われた。今回のバトルで痛感したのは、オリジナリティの重要性だ。
ボイメン水野、全勝優勝なるか?
第1試合は、宮里ソル(円神) & 崇勲 VS 水野勝(BOYS AND MEN) & 晋平太のバトル。早速、面白そうな一戦である。これが初戦となる宮里は「めっちゃ緊張しててお腹痛いです」とコメントしたが、どうやらそれは本音だった模様。Round1で先攻を取った宮里は、1バース目でこんな攻め方をした。
「アンタ ボイメンの黄金柱 あれ? 応答なしか?
聞こえないのか? 【コンプラ】が なら後日会おう 東京裁判」
「黄金柱」「応答なしか」「東京裁判」で確かに踏んではいるが、先攻の1バース目で「応答なしか?」はちょっとないと思う。応答できるわけがない。極度の緊張で、2バース目以降に用意していたネタがいきなり口を突いて出てしまったのか? あと、宮里のラップは少し聞き取りづらい。レッスンではそんなことなかったはずなのに。晴れの舞台で、喋りに焦りが出てしまった? 何しろ、彼は円神メンバーとしてデビューを果たし、まだ1年足らずのルーキーなのだ。
一方の水野にはアイドル歴11年という十分なキャリアがある。今回の参加メンバーでは図抜けて芸歴が長く、踏んで来た場数とくぐって来た修羅場の数が圧倒的に違う。喧嘩腰の宮里に水野はこうアンサーした。
「テメェのオラオラなんか粉々だよ コラ
ビビってんじゃねぇよ お前上がってんの?」
「オラオラなんか粉々だよ」のパンチラインは、前番組『フリースタイルダンジョン』の般若 VS SIMON JAPで般若が放ったバースからの引用である。加えて、オラオラの勝負でも水野は負けていなかった。
「お前 沖縄らしいな だったら俺は名古屋 名古屋と沖縄の戦いだよ
沖縄の好きなラッパー じゃあ言ってみろよ」
「沖縄の好きなラッパー言ってみろって言って お前1つでも言ったか?
地元にリスペクトがねぇんだよ」
「お前自分のバースでシコってんじゃねぇよ
お前このCHICO CARLITOもどきか コラ」
「シコってる」と「CHICO CARLITO」で踏む構成は見事だが、それ以前にアイドルの「シコってんじゃねぇよ」にコンプラが入らないのが掟破りである。いいのか? 兎にも角にも、水野はオラつきながら緻密だった。“用意してきた感”過多なのは若干気になるが、それより今は出来の良さを評価したい。
Round2でも先攻を取った宮里は空回りし始めた。頭が真っ白になっていたのかもしれない。
「アンタの名前が水野勝だっけ? でも俺のラップの方が全然上勝るんだよ
お前は全然 何か 鼻クソ 見えてますよ 何か
取った方がいいですよ マジで これはマジで」
はっきり言って浅はかなディスだと思う。ティーチャーの崇勲も渋い顔になっている。あがり過ぎて、自分が何を言っているかわからなくなっているのだろう。後攻の水野は「お前がビビってるの 俺にはわかる」「マイク持つ手が震えてんぞ」とありがちなディスで対応したが、悲しいかな、宮里相手にはドンピシャなのだ。オーディエンスが薄々思っている印象にバチっとハマってしまっている。心なし、宮里は心が折れた表情に見えた。さらに、水野は畳みかけに行く。
「わざわざ格下見ないでしょ だって俺が名古屋のリヴァイ兵長」
これは、AKLO & NORIKIYOの楽曲『百戦万』の歌詞「わざわざ格下を見ないでしょ 俺が葛飾のリヴァイ兵長」からのサンプリングだ。これをAKLOの前でカマせたのだから、水野も感慨深かっただろう。ストリートのヘッズが思いを爆発させたような熱が彼のラップにはある。オラオラ感もハマっている。ひょっとして、水野は般若をお手本にして自身のスタイルを確立したか? 長身だし、キャラクターとも合っているし、この方向性は正解だと思う。
そして、やっぱり晋平太の指導だ。生徒に自分で考えさせるティーチャーが多い中、晋平太はかなり丁寧に策を授けていた。その作戦は完全に功を奏しており、このバトルは水野が宮里に圧勝した。強い! 「他の誰かが上手く転ばさないとヤバいことになりますよ」と、いとうせいこうが忠告した通り、全勝優勝してもおかしくない勢いである。
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