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日刊サイゾー トップ  > 99歳の監督が日本人に残した『一枚のハガキ』
宮下かな子と観るキネマのスタアたち第8話

「愛する人が亡くなっても、手を止めてはいられない」99歳の新藤兼人監督が日本人に残した『一枚のハガキ』

心に残る美しいラストシ―ン、問いかけてるメッセージは?

 感情をこれでもかとぶつけ合った松山と友子は、共に新しい道へと歩んでいきます。しかしそれは、愛とか恋とか、今の私たちが考えるものとは少しばかり異なる形。傍に、明日への希望となる人がいるから。いや、傍にその人しかいないから、共に歩む、というような。

 そんな2人が、黄金に輝く麦畑を前にご飯を食べるラストは、心に残る名シーン。今後、力強く前を向いて歩んでいくであろう2人の生命力がみなぎっていて、未来の希望が感じられる、とても美しい画なんです。

 戦時中、世の不条理さに失望している人々を、戦争体験者である新藤監督だからこその切り口で、時に滑稽に、温かみを持って描かれた作品です。

 不幸な境遇に心沈めるのではなく、笑いに変えていかなければ何も始まらない、という映画全体のメッセージは、この時代を生きた人だからこその説得力があります。世の中が大きく変動している今、未来への不安を抱えながら生きる私たちに、とても大切なことを語りかけて下さっているように思います。

 個性豊かな豪華役者陣、そして当時99歳の新藤監督が最後に残したこのエネルギッシュなパワーを、是非作品から受け取ってください!

宮下かな子(俳優)

1995年7月14日、福島県生まれ。舞台『転校生』オーディションで抜擢され、その後も映画『ブレイブ -群青戦記-』(東宝)やドラマ『最愛』(TBS)、日本民放連盟賞ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)などに出演。現在「SOMPOケア」、「ソニー銀行」、「雪印メグミルク プルーンFe」、「コーエーテクモゲームス 三國志 覇道 」のCMに出演中。趣味は読書、イラストを描くこと。Twitter〈@miyashitakanako〉Instagram〈miya_kanako〉

Twitter:@miyashitakanako

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【アミューズWEBサイト公式プロフィール】

みやしたかなこ

最終更新:2023/02/22 11:39
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