元芸人が「R-1グランプリ2021」全ネタ徹底分析! 圧倒的だった進化を続ける天才芸人「ゆりやんゆりやんレトリィバァ」の生き様
#お笑い #芸人 #ゆりやんレトリィバァ
芸歴10年以内の参加条件に疑問、霜降りのMCに気になる点も…
さて今回の大会を通し、ふと個人的に思ったことがある。芸歴10年以内という参加条件を設けたことは果たして正解なのだろうか?
若手に対してチャンスを与えることは素晴らしく、今後のお笑い界の活性化にも大きく影響するだろう。しかし芸歴が短いがゆえに、芸に磨きが足りず完成していない参加者が目立つ。
MCを務めた霜降り明星も大注目の若手芸人である。一点気になったのは「吉住」のネタが終わった後のトークでせいやがネタについて「怖かった」とコメントしていた。それに追従するように粗品が「切ないネタだった」と。どちらのコメントもお笑いのネタの感想としてはおかしい。
さらにせいやの「怖かった」は芸人本人に伝えてリアクションを取らせたり、ボケのきかっけにさせたりすることはあってもネタの感想として言う事はない。MCの発言は観客の感情を思った以上に左右する。吉住のネタで面白いと感じた人も。MCの一言で怖かったという感想に置き換えられる可能性があるのだ。
審査員においても、いわゆる大御所と称される芸人を外し、昨年の大会で優勝した野田クリスタルなど、今でも現役でネタを披露している芸人も参加し、若返りを図っていた。
M-1グランプリやキングオブコントと比べると、明らかに大会としての厳かさが無くなってしまっている。
たとえ優勝できなくても、ダウンタウンの松本さんが高得点を付けてくれた、面白いとコメントしてくれた等、時代を作り上げてきた憧れの大先輩に評価されることは芸人にとって貴重で嬉しいものであり、そのお陰で優勝できなくてもメジャーになることもある。
さらには審査員の考察やコメントも含めてネタの精巧さを理解することが出来るのも番組を盛り上げるひとつの要素であった。
一年に一度というプレミア感、円滑で尚且つネタ以外の芸人の良さを引き出す進行、日本のお笑い界を先導してきた芸人による真剣な審査、そして今年最も面白いピン芸人という称号。賞レースは親近感がある大会では無く、今後の人生を左右する一世一代の勝負なのだ。
先物買いに焦点を置き、成長を待つような大会になってしまうとお客さんは離れていく。そして大会の価値が変わると、お笑いに憧れ、本気で優勝を目指す芸人もいなくなってしまう。
ネット番組の普及やYoutuberの活躍など、テレビ離れは加速している。
そんな中、R-1のような歴史のある賞レースは芸人の憧れであり、真剣勝負の場であり、頂点を目指す者が増えることでお笑い界が一丸となって業界を盛り上げていく要になるはず。
僕はそう願っている。「R-1グランプリ2022」に期待大だ。
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