高橋一生『天国と地獄』とあの大河ドラマとの“共通点”に哀れみの声…赦しと救済の最終回なるか
#綾瀬はるか #高橋一生 #天国と地獄~サイコな2人~
罪を背負い、ひとりで地獄へと向かおうとする高橋一生の姿に、多くの視聴者が涙した。特に一部の視聴者にとっては、そこに隠された二重の悲しみがより一層心を震わせたようだ。
綾瀬はるか主演の『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が3月21日、最終回を迎える。3月14日に放送された第9話は平均世帯視聴率は16.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と最終回に向けて上昇、フィナーレへの高い期待感が伺える。
入れ替わっていた魂が元に戻った場面から始まった第9話。望月彩子(綾瀬)は刑事、日高陽斗(高橋)は殺人事件の容疑者、と本来の姿となったが、元に戻ったらその場で手錠をかける、と言っていた彩子は「ちんけな共犯者じゃなく、主犯の東朔也(迫田隆也)をこれから逮捕しに行く」と日高を逮捕しなかった。そして偽装工作までして2人で日高の兄・東の後を追い、奄美へと向かった。警察に追われながらも、何とか奄美行きのフェリーに乗り込む2人。船上では日高の口から事件の全容が明かされた。
幼い頃に両親の離婚で引き離された双子の兄弟は、まさに天国と地獄のように正反対の人生を歩いてきた。そして報われない人生の果てに癌を患い、社会への怒りから殺人に手を染めてしまった兄の罪を、事件現場の後始末をすることで、自らも背負うという道を選んだ日高。彩子に対しても、兄が捕まらずに残り僅かな命を終えられるよう、自分がサイコパスな殺人鬼であるように振舞ってきた。
同じフェリーに乗り合わせていた日高と東は再会することは叶うが、間もなく東は奄美の地を踏むことなく船の上で息を引き取ってしまう。そしてラストでは、奄美で待ち受けていた警察に追い詰められた日高が、あくまで彩子は自分を追ってきた刑事と見せるために、彩子にナイフを突きつけ人質に取り逃亡。最後は「何も2人して地獄に行くことはありませんよ」と言い、警察の前で彩子に手錠を掛けさせた。すべての罪をひとりで背負おうとする日高の行動に、胸が苦しくなるシーンであった。
本作の脚本家・森下佳子は過去のインタビューで「世の中的には悪人である人物がヒロインのために命を散らすという構図が好きですね」と語っている。第9話のこのラストシーンに特別に反応した視聴者が多かったのは、同じく森下脚本の2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)の高橋一生を彷彿とさせたからだ。高橋演じる小野政次はヒロイン・直虎(柴咲コウ)を守り抜くため、「地獄へは俺が行く」とすべての罪を背負い磔に処されるという、壮絶な最期を遂げている。あまりにも悲しいその処刑シーンは大河史上に残ると言われるほど、大きな話題を呼んだ。今回、『天国と地獄』を見た視聴者からは「一生くんが、直虎の政次の再来で涙腺崩壊でした」「今回高橋一生が演じる日高をおんな城主直虎の政次と重ねて辛くなってる」といった声がSNS上に溢れていた。
「捕まるならあなたが良かった」と彩子に手錠をかけられた日高。他の誰でもない愛する直虎の手で処刑された政次。そこには同じように深く悲しい愛がある。
だが一方で、直虎は政次を救うことができなかったが、彩子は「絶対に、絶対に助けるから」と日高に言っている。正義感が強く、失敗も多いが強い信念を持った彩子。入れ替わり前までは、手柄を立てたいという思いが強く自分のためにいつも怒り行動していた。それが今は人のために怒りを爆発させている。「あなたは正しい。あなたに捕まるためにスイッチさせられたんですよ」と言う日高。日高にとって彩子は赦しであり、救済の存在なのだ。
日高はヒロインを守るために命を散らすことになるのだろうか。それとも直虎では描かれなかった、赦しと救済が描かれてフィナーレを迎えることができるのか。この悲しい物語の終焉をしっかりと見届けたい。
■番組情報 日曜ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』
TBS系/毎週日曜日21時~
出演: 綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹ほか
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木 彩
プロデュース:中島啓介音楽:髙見 優
主題歌:手嶌葵「ただいま」(ビクターエンタテインメント)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tengokutojigoku_tbs/
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