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KAT-TUN新曲「10年ぶりヒット」も…“デジタル解禁”は「ほとんど意味なし」?

ジャニーズ「サブスク解禁」に慎重な姿勢崩さず… KAT-TUNとSexy Zoneはお試し案件?の画像1
KAT-TUN J STORM 公式サイトより

 KAT-TUNのおよそ3年ぶりのシングル『Roar』が絶好調だ。

 亀梨和也主演の日本テレビ系土曜ドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』の主題歌を収めたこのシングルは、3月9日付の「オリコンデイリーシングルランキング」で20万123枚を売り上げて初登場1位を獲得。週間では25.3万枚までセールスは伸び、16日発表の最新「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位となった。

 これはKAT-TUNにとってデビューシングル『Real Face』から28作連続&通算の首位獲得となるだけでなく、初週のセールスが20万枚を超えるのは2010年11月17日に発売された『CHANGE UR WORLD』以来であり、10年以上ぶりのスマッシュヒットとなった。今月22日にデビュー15周年を迎える彼らにとって、これ以上ない吉報といえるだろう。

 前作『Ask Yourself』(初週13.8枚)と比べると10万枚以上もセールスを伸ばしており、今のKAT-TUNの勢いを感じさせるが、この“売上急増”はある程度予想されたことだったという。

「今回のCDシングルは、通常盤、初回限定盤に、3種の期間限定盤、そしてファンクラブ会員限定盤と全6種類が発売された。DVD/Blu-rayがセットの初回限定盤こそ『Roar』の1曲のみの収録だが、他はすべてカップリング曲が異なるという仕様。さらに、21日に予定されている生配信イベント『KAT-TUNデビュー15周年 前夜祭』を観るためには、ファンクラブ会員限定盤を除く5形態を揃えなければいけない……と今回はファンの購買意欲をかなり刺激する売り方になっている。加えて、ファンクラブ会員限定盤に付いているDVD/Blu-rayに収録されたインタビュー映像も濃い内容の話をしていると評判で、全種類購入したファンも少なくないはず」(芸能記者)

 この販売戦略が功を奏した一方で、「KAT-TUN初のデジタル解禁」は関係者も驚くほどの空振りに終わったという。KAT-TUNはシングル発売日と同日に、表題曲の「Roar」と配信限定曲「Flashback」の2曲をダウンロード発売およびストリーミング配信。これは彼らにとって初の試みで、大きな話題となったのだが……。

「ダウンロードではそこそこの成果を見せたが、問題はストリーミング。Spotifyのデイリーチャートでは一度もトップ200に入らないほど“無風”状態で、ビルボードジャパンが17日に発表した総合ソング・チャート『JAPAN HOT 100』(3月22日付)を紹介した記事でも、ストリーミングではチャート圏外に終わったと指摘されている。

 CDシングルを売るための施策にかなり力を入れた一方で、デジタル戦略については熱量が感じられなかったので、当然の結果といえるが、これではせっかく解禁に踏み切った意味がほとんどない。“他のグループもKAT-TUNに追随し、ジャニーズのデジタル解禁が進むのでは”と期待を寄せる声もあったが、少なくとも今回のやり方を見る限りではまだまだ難しそう」(音楽関係者)

 ジャニーズ事務所がいまだにデジタル解禁に対して消極的であることの表れともいえる。これを反省材料として戦略を立て直してくれればいいのだが……。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2021/03/19 12:48
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