地方議会の衰退あらわ… 報酬も低くなり手不足が深刻、投票率も低下
#地方議会 #衰退 #高齢化
自民党は、地方議会を見捨てている!?
このように、議員報酬だけでは生計が立てられないほど低水準のため、町村議会議員の27.0%が農業従事者であり、議員専業は23.5%に過ぎない。もちろん、住民が少なく、経済規模が小さく、自治体予算が少ないため、多くの議員報酬を支払うのは難しいのも事実だ。しかし、これでは、若い世代が地方議員になり、地域に貢献しようという意欲を削ぐ原因にもなりかねない。
また、地方自治体議会、特に町村議会への政党による支援体制も大きく違う。2019年末の都道府県議会、市議会、町村議会の政党勢力を比べると、その違いは明らかだ。
都道府県議会では自民党が圧倒的な勢力を誇っており、その他の政党は“どんぐりの背比べ”となっている。
ところが、市議会になると無所属が過半数以上となり、もっとも大きな勢力を持つ政党は公明党、次いで自民党、共産党の順になる。これが町村議会では無所属が9割近くになり、政党勢力では共産党がトップ、次いで公明党となる。(表2、3、4)
つまり、自民党は都市部で議員を育て議会で勢力を得ようとするが、小さな自治体は“見捨てている”のが実態だ。
半面、その特異性から町村議会では共産党や公明党が勢力を持っている。「聖教新聞」の販売店を通じて宅配が行われている公明党の機関紙「公明新聞」や日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」などが、その一翼を担っている側面もあるのだろう。
例えば、定員割れや無投票当選がある地方議会では、議員定数を削減することで議員報酬を引き上げるなどの策も考えられる。しかし、こうした地方議会では、議員になることが“既得権益”化しており、議員定数の削減や選挙を行わなければならないこと(無投票で当選できないこと)に対する抵抗が強い。
こうした弊害を排除し、地方創生、地方活性化には、地方議会のあり方を見直していくことも必要だろう。
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