日本の総広告費、9年ぶりマイナス成長 東日本大震災、リーマン並の危機
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電通が2月25日に発表した「2020年日本の総広告費」によると、20年の広告費は6兆1594億円(前年比88.8%)だった。マスコミ四媒体広告費とプロモーションメディア広告費が大きく減少する中、インターネット広告費だけが増加した。
総広告費は、東日本大震災のあった11年以来、9年ぶりのマイナス成長となった。減少幅は、リーマン・ショックの影響を受けた09年(同88.5%)に次ぐ下げ幅だった。
特に大きな影響を受けたのがイベントや広告販促キャンペーンなどのプロモーションメディア広告費で、前年比75.4%の1兆6768億円に減少した。新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントやキャンペーンの延期・中止に加え、外出・移動の自粛も影響した。
次いで、「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」のマスコミ四媒体広告費が前年比86.4%の2兆2536億円と大幅に減少した。内訳を見ると、雑誌が前年比73.0%の1223億円に、新聞が同81.1%の3688億円、ラジオが同84.6%の1066億円、テレビが同89.0%の1兆6559億円となった。
一方、広告費が唯一増加したのがインターネット。同105.9%の2兆2290億円とマスコミ四媒体に“肩を並べる”まで広告費が増加し、“ひとり気を吐く”形となった。
インターネット広告の増加には、2つの大きな要因が見られた。一つはマスコミ四媒体由来のデジタル広告が増加したこと。前年比112.3%の803億円に増加した。
内訳を見ると新聞デジタルが同118.5%の173億円、雑誌デジタルが同110.1%の446億円、ラジオデジタルが同110.0%の11億円、テレビメディアデジタルが同112.3%の173億円といずれも2ケタの増加となった。
もう一つは検索連動型広告およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引される運用型広告が伸びたこと。前年比109.7%の1兆4558億円に増加した。巣ごもり需要によってSNSやEC(電子商取引)、動画配信サービスへの接触機会も増え、大手プラットフォーマーを中心とした運用型広告の需要が高まったことが背景にある。
電通が3月10日に発表した「2020年日本の広告費 インターネット広告媒体費詳細分析」によると、動画広告が前年比121.3%の3862億円と大きく伸び、インターネット広告全体の22.0%となったほか、SNSや動画共有プラットフォーム上等で展開されるソーシャル広告が116.1%の5687億円となり全体の32.4%を占めた。
広告形態としては、検索連動型広告が38.6%、ディスプレイ広告が32.6%と合わせて7割を占めている。最も伸びたのはビデオ(動画)広告で前年比121.3%の3862億円と増加し、全体の18.3%となった。
SNS上で展開されるソーシャル広告も前年比116.1%の5,687億円と高い成長率となり全体の32.4%を占め、3割を超えた。ソーシャルメディアの種類別では、「SNS系」が2488億円で43.7%を占め、最も大きい。次いで、「動画共有系」が1585億円で27.9%の比率となった。
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