「遊べる」がコンセプトで大躍進中!──「軽はダサい」はもう古い考え? オトコたちが乗る軽自動車の事情
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テスラを超えた中国製・軽EVは45万円
では、軽自動車は今後、どのような未来を迎えるのだろうか?
車全体をめぐっては、自動運転システムの導入が今後の鍵を握っている。前出・西村氏は、自動運転の普及によって、車に対してより居住性が求められる時代になってくるのではないかと予測する。
「自動運転が本格的に普及していけば、自動車に求められるのは運転の魅力や走行性能よりも、居住性になります。各社がモーターショーなどに出品するコンセプトカーを見ると、その目指すところが『移動できる箱』。これまでも車には居住性が求められてきましたが、コロナ禍を経て在宅ワークが普及してきたこともあり、車を第二のオフィスとして使う動きも考えられるでしょう。
また、移動だけを考えれば、所有するよりもシェアしたほうが、都合がいいケースも多い。所有することによって置き場所などに縛られるのではなく、情報端末との連携を生かして使いたい場所で使いたいときだけ車を使う未来が来るのではないかと予測できます」
一方、自動運転と共に進んでいくのがEV化の流れ。日産と三菱では、コロナ禍によって延期となってしまったが、20年に電気軽自動車「IMk」をリリース予定だった。その価格は200万円前後ではないかと言われている。
そんななか、中国で現在、大ヒットを記録しているのが、上汽通用五菱汽車が7月に発売したEV「宏光MINI」だ。日本の軽自動車の規格よりも全長は50センチ短く、冷房はついていないものの、4人乗りで航続距離120キロという最安モデルがなんと2万8800元(約45万円)! 冷暖房つき、航続距離170キロの上位モデルでも3万8800元(約60万円)という高いコストパフォーマンスで中国人を魅了している。20年11月にはテスラを抜いて、EV車カテゴリで1位の売り上げを記録してしまった。
「宏光MINIが売りにする高いコスパの理由は、安い電池を使うこと。それによってコストを限界まで下げることに成功しているんです。今後、年単位で電池の性能も向上していくため、航続距離や充電にかかる時間はさらに改良されていくでしょうね。
もしも、今後中国からこのような低価格のEVが日本に入って来るようになれば、軽自動車を巡る状況も激変するはず。特に、地方ではガソリンスタンドがどんどんと廃業に追い込まれておりEVが普及する下地はできている。高齢者の足として考えるならば、120キロも航続距離があれば十分です。EV化や自動運転といった環境の激変を前に、軽自動車は、このまま右肩上がりとなっていくのか、それとも現在をピークに衰退していくのか5年後のことも予想できないような状況です」(前出・国沢氏)
30-40代の「車離れ世代」が購買力をつけることによって軽自動車の存在感は増し、「軽自動車=ダサい」という図式は崩れた。このまま、軽EVの普及などによって下の世代も巻き込みながら軽自動車の地位は定着するのか? それとも、再び、ダサいと言われる時代に戻ってしまうのか……? 排気量660ccの小さな車の未来に、車業界は大きな注目を寄せている。
(文/萩原雄太)
(絵/ぱいせん)
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