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幼稚園教諭を目指すLGBT学生が強制退学によって自殺未遂! 学校「児童の心身に悪影響」と説明で法廷バトルへ

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メディアの取材に応える今回の男子学生

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長の差別発言は海外メディアでも大きく報道され、最終的に辞任にまで追い込まれる事態へと発展した。オリンピック大会が男女平等やLGBTなど性的少数者を尊重し推進してきたことを考えれば、こうした発言が世界で非難されることは当然だ。

 LGBTをめぐっては日本のお隣、中国でもある若者が学校を追われ、将来の道を絶たれるという事件も起こっいる。

 中国騰訊新聞(1月29日付け)は、同性愛であることをカミングアウトした当時17歳の青年が通学校を強制的に退学させられていたことを報じた。

 事件の発端は2019年12月18日にさかのぼる。この日、中国北京市内のイベント施設では、幼稚園教諭を育成する専門学校に通う学生たちによるイベントが行われていた。市内から集まった700名の学生たちは、それぞれ舞台上で討論会や演劇活動を発表していたという。こうした中、イベントに参加していた17歳の男子学生は、舞台に登壇すると自身が同性愛者であることをカミングアウトし、同性愛に対する社会の偏見や差別をなくしていきたいという思いを語った。

 それから数日後、学生は通っていた学校から呼び出され複数の学校関係者に囲まれ退学を迫られたというのだ。学校側は学生に対し、「学校卒業後、幼稚園教諭となる者が同性愛者であった場合、児童の心身に悪影響が出る恐れがあるため仕方がなかった」と、人権侵害とも言える理由を述べたという。

 学生は校内の密室で関係者に囲まれ、半ば強制的に退学届にサインをさせられ学校を追われることとなった。幼稚園教諭という将来の夢まで絶たれる結果となってしまったのだ。

 事件後、学生は精神的ショックから摂食障害・睡眠障害を発症し、自殺未遂を繰り返すようになってしまったという。その後、周囲の支えもあり立ち直った学生は今年1月、学校側に対し謝罪と慰謝料を求め提訴することをSNSで発表し、現在学生に対し応援の声が多く集まっているという。

 現在、中国国内のLGBT人口は約7000万人以上と言われているが、2000年頃までLGBTを精神障害としていた中国では同性愛者への強制入院も政策として行われてきた。2022年に開催される北京冬季オリンピックだが、IOC(国際オリンピック委員会)や海外メディアはこうした中国のLGBTの人々が置かれている状況をどのように考えているのだろうか。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

ひろせだいすけ

最終更新:2021/03/08 09:00
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