綾瀬はるか主演『天国と地獄』ドラマタイトルの“本当の意味”…明らかになった壮絶な過去
#綾瀬はるか #高橋一生 #天国と地獄~サイコな2人~
綾瀬はるか主演の日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が、いよいよ最終回に向けて勢いを加速、怒涛の展開を繰り広げ、視聴者もSNS上で異例の盛り上がりを見せている。
刑事の望月彩子(綾瀬)と連続殺人事件の容疑者・日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ替わってしまったことから始まった『天国と地獄』の物語。2月28日に放送された第7話では、日高には生き別れた双子の兄がいることが判明した。兄の名は東朔也。幼い頃に両親が離婚、日高は母親に、兄は父親に引き取られた。その後、日高は母親が再婚、愛情あふれる家族に恵まれた上、義父の手がける事業が成功を収め、裕福に。一方、父親に引き取られた兄のほうはバブル崩壊で負債を抱え困窮。母と義父が兄を引き取ろうとするも、追い返されてしまう、という過去が明らかになった。
彩子と日高の入れ替わりは、奄美地方に伝わる太陽と月が入れ替わる伝説になぞらえたもので、これまで「天国と地獄」「太陽と月」、さらに副題の「サイコな2人」も刑事の彩子と殺人鬼の日高の2人を指すものだと思われていた。だが、ここにきて、タイトルに込められた意味合いが変化した。「天国と地獄」は兄弟の育った境遇、生きてきた道を指していて、「サイコな2人」というのもこの兄弟のことなのではないか。2人の名にも太陽と新月が隠されている。これまでの殺人は兄が実行し、日高は兄をかばうためにその犯行の痕跡を消す手伝いをしていたのではないか。第7話はそう匂わせる回であった。
そしてその兄・東朔也だと思われるのは、彩子の恋人・渡辺陸(柄本佑)が師匠と呼ぶ湯浅和男(迫田孝也)だ。父親に振り回されずっと貧しい暮らしをしてきたことを以前明かしていて、現在も他人名義で借りている古びたアパートの一室に住んでいる。
思えば、1963年に公開された黒澤明監督の名作映画『天国と地獄』でも、絶望的な貧富の格差が描かれていた。貧しい暮らしをしていた犯人は、自分の部屋から見える豪邸を見上げて暮らすうちに、そこで裕福に暮らしている人物に対し憎悪の念を募らせ、犯行に及ぶ、という物語だった。本ドラマの『天国と地獄』というタイトルは脚本を手がける森下佳子による黒澤明監督へのオマージュとも考えられ、格差社会が生み出す軋轢や途方もない悲しみがストーリーの根底にあるのかもしれない。
ただ、引っかかるのは湯浅が日高の兄だとして、裕福な人を恨み猟奇的な連続殺人事件を引き起こしている、と考えるのにはどうも違和感がある。というのも、幼少時代の兄は弟や父を思いやる優しい少年であったし、湯浅も色々と面倒だったという父親を見捨てることができなかった優しさを持ち合わせている。さらに第7話で陸に言った台詞も印象深い。「駅の掃除する奴、ごみ収集する奴、おしめ替える奴、病人の世話してくれる人、どうにもなんねえとこを手汚して仕事する奴がいるわけだろ?世の中には。そういった奴らがちゃんと認められて報われてってのがまっとうってもんじゃねえのか?」。コロナ禍の今、視聴者の胸に突き刺さる、そんな言葉だった。
兎にも角にも、まだ最終回までには時間がある。これからまだ二転三転するのだろう。謎が明かされても、更なる謎が生まれる『天国と地獄』。タイトルだけでなく手嶌葵が歌う主題歌「ただいま」の歌詞もまた意味深い。一緒に暮らしていた家からいなくなってしまった愛しい人への想いと、“ただいま”を願う切ない想いが込められているこの歌。「散らかす人のいなくなった部屋は悲しいくらい綺麗に片付いたまま」「あなたの声の『おかえり』がまだ目を閉じれば聞こえてくる」。その歌詞に日高と兄、さらには息子を手放さなければならなかった日高の母親の悲しい想いが重なって聞こえてくる。
3月7日今夜、第8話が放送される。予告動画では湯浅は陸を奄美へと誘い、日高は緊急逮捕? ――物語は大きく動き、またも手に汗握る展開が待っていそうだ。謎を残しながらも、じわじわと核心に迫っていく、視聴者は焦れながら最終回まで振り回されることになりそうだ。
■番組情報 日曜ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』
TBS系/毎週日曜日21時~
出演: 綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹ほか
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木 彩
プロデュース:中島啓介音楽:髙見 優
主題歌:手嶌葵「ただいま」(ビクターエンタテインメント)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tengokutojigoku_tbs/
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