テレビで頻発される“月経”特集、発端はABEMAだった?「生理ブーム」がメディアを席巻する背景
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世界的に多くの国や企業が「SDGs17の目標」を達成しようと切磋琢磨するなか、森喜朗元首相のトンデモ発言により、皮肉にも全世界へ“日本の男女のあり方”を示してしまった。日本が“男女平等”を実現するのには、まだまだ時間がかかりそうだ。
それを裏付けるように、世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)が2019年末に報告した「グローバル・ジェンダー・ギャップ(世界男女格差)指数」で、日本は153カ国中121位という結果に。これは先進国最大の男女格差だ。(出典:拡大する日本の男女格差を埋めるには | 世界経済フォーラムweforum.org)
しかし、こうしたネガティブな話題もある一方で、女性の働き方や体について理解を深めようという動きが活発化しているのも事実。そのひとつの現象として、テレビ番組で女性の生理(月経)について特集を組まれることが増えているのだ。
「ここ数年、東京キー局でも“生理”の特集を組む番組が頻発しています。つい先日も『スッキリ』(日本テレビ系)が2日間にわたり特集してましたよね。昨年8月には『生理CAMP2020』(テレビ東京)という特番が放送され話題を呼びました。『news zero』や『真夜中の保健室』も生理をテーマとして扱っていましたし、バラエティ番組の『人生が変わる1分間の深イイ話』(すべて日本テレビ)が突然生理特集を組んだのも驚きました。日本のテレビ番組は旧世代的だと叩かれてきましたが、こうした特集を見ると時代の変化を感じますね」(テレビ制作会社の男性)
日本では特に「女性は不浄な血を流すから大相撲の土俵に立てない」といった通説が存在したり、ひと昔前のアイドルは「トイレにも行かない」設定を貫いたりと、女性の生理について公に話すことはタブーのような扱いをされてきた。
「女性差別や女性の権利については、世情に敏感なマスコミ業界から舵を切るべきなんですよね。ちょっとやらしい話をすると、やっぱり生理を取り上げることで女性視聴者から大きな反響がありますし、SNSなどでも話題にしてもらいやすい。制作サイドとしても“旬なテーマ”ではあると思います」(同)
メディアの変化とその背景については、『生理用品の社会史』(角川ソフィア文庫)の著者で歴史社会学者の田中ひかる氏がさらに詳しく説明する。
「生理をテーマにしたテレビ番組や雑誌の特集などが増えているという見方は正しいです。背景には、欧米を中心とした“生理の平等化”の動きや、国内のジェンダーに対する意識の高まり、フェムテック市場の拡大などがあります。こうした流れのなかで、『生理の話って結構、大事なんじゃない?』という認識が出てきて、地上波テレビでも取り上げるようになってきたのだと思います。
これまで個人的に解決すべきだとされてきた生理にまつわる問題を、社会全体で理解し、解消していこうという動きは歓迎すべきですね」 さらに田中氏は「日本のテレビでは2017年に『Wの悲喜劇』(ABEMA)が『働くオンナの生理最前線』というテーマで深堀りしたのが“はしり”でしょう」と語り、その後の“生理メディア”の変遷を次のように解説する。
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