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日刊サイゾー トップ  > 森喜朗氏の女性蔑視発言が海外でもいじられている!
スタンダップコメディを通して見えてくるアメリカの社会【16】

森喜朗氏の女性蔑視発言がアメリカ人気コメディ番組で早速ネタに…性差別への痛烈な皮肉

性差別発言を女性目線から打っちゃい返す巧さ

 17年、ひとりの会社員女性がツイッターで「hepeated」ということばをつぶやき、それが拡散し話題になったのだ。

 この「hepeated」とは男性を表す三人称「He」と、「繰り返す」の「Repeated」を合わせたことば。つまり、会議で女性の発言やアイディアは無視されるのに、数分後にそれとまったく同じ内容を男性が言うと、あたかもその男性の発案かのように採用されていくという「性差別」の現状に声を上げたものだった。それが瞬く間に共感を呼び、一時のトレンドにまでなったのだ。

 そんな「女性目線」からの言葉をあえてトレバー・ノアが引用してみせたことはおもしろい。そこには、こうした性差別への問題意識が希薄で、森喜朗の発言をも擁護しようとする層への、痛烈な皮肉が込められているのではないかとさえ思う。

 政治というセンシティブな内容を連日ジョークにしてみせるトレバー・ノア。

 ポスト・トランプ時代を迎えた今、「アメリカの顔」となったトレバー・ノアはどのように政治と、そしてアメリカと向き合い、笑いに変えていくのだろうか。

<トレバー・ノア>
南アフリカ出身のスタンダップコメディアン。母国でスタンダップコメディをはじめ人気を博すと、11年に拠点をアメリカに移す。コメディ・セントラルの人気番組『ザ・デイリー・ショー』のホストに抜擢され15年から出演を続ける傍ら、スタンダップコメディの舞台にも精力的に立ち、19年は日本ツアーも行なった。

Saku Yanagawa(コメディアン)

アメリカ、シカゴを拠点に活動するスタンダップコメディアン。これまでヨーロッパ、アフリカなど10カ国以上で公演を行う。シアトルやボストン、ロサンゼルスのコメディ大会に出場し、日本人初の入賞を果たしたほか、全米でヘッドライナーとしてツアー公演。日本ではフジロックにも出演。2021年フォーブス・アジアの選ぶ「世界を変える30歳以下の30人」に選出。アメリカの新聞で“Rising Star of Comedy”と称される。大阪大学文学部、演劇学・音楽学専修卒業。自著『Get Up Stand Up! たたかうために立ち上がれ!』(産業編集センター)が発売中。

Instagram:@saku_yanagawa

【Saku YanagawaのYouTubeチャンネル】

さくやながわ

最終更新:2023/02/08 13:20
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