トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > ネット  > 「クロスマーケット 2」が示すVRの可能性

そこにはネット黎明期の熱気があった! VRイベント「クロスマーケット 2」が示すVRコミュニティの可能性と課題

支援額が3万円から200万円へ! VRイベント「クロスマーケット 2」が示すVRコミュニティの可能性―課題は著作権問題?の画像1

 2021年2月20日(土)にスタートしたVR展示会イベント「クロスマーケット2」が好評だ。

 主催者発表によると開催から3日間で累計来場者数が3万人を突破。終了予定の2月28日(日)に向け、集客が加速している。なぜこのイベントが人気を集めるのか? そもそもVRイベントの「面白さ」とは何か。VR歴約1年、映像作品はたまに見るものの、こうしたイベントは未体験の記者が初心者目線でレポートする。

 このイベントを解説するには、まず「VRChat」の説明からすべきだろう。VRChatとはVRユーザーの間で現在もっとも親しまれているアプリのひとつ。VR空間内で参加者同士が交流できるプラットフォームで、いわばVRのSNSだ。

 Facebookでグループ機能を使ってコミュニティを運営できるように、VRChatでも有志のユーザーがさまざまなVR空間(ワールドと呼ばれる)を作り、人々は多彩なアクティビティを楽しんでいる。毎朝決まった時間にラジオ体操をする人々もいれば、ボードゲームに興じたり、サバイバルゲームをしたりする人もいる。なかにはホストクラブに通って酒と疑似恋愛を楽しむ好事家も存在する。

 今回取材した「クロスマーケット2」は、そうしたVRChat上につくられたワールドのひとつで開催されている。取材を申し込むと、主催者から「会場を一緒に歩いて、ご案内しましょうか」との提案をいただいた。VRChat自体が初体験の記者にとっては貴重な体験で、一にも二にもなく願い出た。

VRのアバターでもリアルを感じる交流感覚

支援額が3万円から200万円へ! VRイベント「クロスマーケット 2」が示すVRコミュニティの可能性―課題は著作権問題?の画像2

「サイゾーの記者の方ですか?」

 サイバーなイルミネーションに彩られた高層ビル、「クロスマーケット 2」の会場であるその建物のエントランスに到着すると、背後からそう尋ねられた。振り返ると、主催者の「ぴゅあ吉」氏と、広報担当の「あおみ」氏のアバター(VRChat上の自分のアイコン)が立っている。挨拶をしてみると、奇妙かつ新鮮な感覚を抱いた。本当に人と会っている感じがするのだ。しかも初対面のときにありがちなちょっとした緊張感まで伴っている。

 VRのヘッドマウントディスプレイにはマイクが内蔵されており、発した言葉は即座に相手に届く。こうした音声コミュニケーションはオンラインゲームなどと変わらないが、VRChatの特徴は、こちらの問いかけに対する「現実のご本人」の動きをアバターがトレースし、頷いたり、首を傾げたりといった反応をごく自然に再現すること。そのため、「人と会っている感」が他のコミュニケーションツールより格段に高く、これこそVRChatが人気を博す最大の理由になっている。

 さっそくイベント会場を歩いてみると、さらにそれを実感する。「次はあのブースに行ってみよう」などと語りながら歩く人々とすれ違うのは現実のイベントさながらで、コロナ禍になって味わう機会が少なくなった「活気」がまさしくそこにあった。

123
ページ上部へ戻る

配給映画