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日刊サイゾー トップ > カルチャー > ネット  > 「クロスマーケット 2」が示すVRの可能性

そこにはネット黎明期の熱気があった! VRイベント「クロスマーケット 2」が示すVRコミュニティの可能性と課題

新型コロナの影響で支援額が60倍以上に!

支援額が3万円から200万円へ! VRイベント「クロスマーケット 2」が示すVRコミュニティの可能性―課題は著作権問題?の画像3

 広報のあおみ氏いわく、やはりコロナ禍はイベントが盛況な理由のひとつであるという。「外出を自粛せざるを得なくなり、家に居ながら友人や知人と本当に会っている感覚を得られるVRを試す人々が増えたようです」(あおみ氏)。

 VRへの関心の高まりは、クロスマーケットというイベントの変遷からも見て取れる。今回は2回目の開催だが、その規模は2020年5月30日に開催された1回目とは段違いだ。このイベントは運営資金をクラウドファンディングで調達しているが、第1回の支援額は3万1000円だったのに対し、第2回は200万円を超えた。ブースの出展者も146と、2倍以上増えている。短期間でこれほどの規模の拡大は「運営チームとしても本当に想定外のこと」(主催者・ぴゅあ吉氏)なのだという。

 展示ブースで扱われているのは、アバターやアバター用アクセサリーが中心だ。

 それぞれがクリエイターによるオリジナル作品で、アニメキャラ風のもの、動物を擬人化したものなど多種多様。気に入ったものを購入し、VRChatの他のワールドで使用することができる。記者もあるブースで魔法使い風のアバターを“試着”してみたが、特定の操作をすると周囲に星を降らせるなどのエフェクトを実行でき、実に芸が細かい。

 また、アバター以外で印象に残ったのが「なまこ屋」というサークルの「パーティクルライブ」と呼ばれる体験型の空間アートだ。空間に入るとアップテンポなクラブミュージックが流れはじめ、音が流線型に実体化しながら自分の周囲360度を旋回していくような演出が施される。VRでしかできない表現であり、将来性を感じた。

「VRChatは非常に自由度が高く、『Unity』という開発ツールを使うことで全く未知の創作物や表現を産み出すことができます。展示会を開催するたびにその進歩に驚かされますし、VRコミュニティがどのような進化を遂げるのか、コアユーザーであっても予想がつきません。だからこそ多くのユーザーがワクワクしながらその進展を見守っています」(あおみ氏)

 あおみ氏が述べた「ワクワク」という言葉から連想されるのは、多くの一般ユーザーがインターネットを利用できるようになり、テキストサイトや匿名掲示板が乱立し、独自の文化が百花繚乱の様相を呈していた90年代ごろにあった高揚感だ。あおみ氏は「私は当時のネットをリアルタイムで体験していませんが、状況としては近いものがあると思います」と話す。

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