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『チコちゃんに叱られる!』「壁を感じるときは?」チコちゃん「民放との壁は超えられません」

【完成】『チコちゃんに叱られる!』「壁を感じるときは?」チコちゃん「民放との壁は超えられません」の画像1
『チコちゃんに叱られる!』(NHK)

 2月19日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、初登場の黒島結菜と、今回が2回目の登場となる東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦。それにしても谷中はパッと見だと、阿部寛につくづく似ている。滅多に出演しないバラエティ番組で、意外に愛想良く受け答えしてくれる人だ。

 また、今回からはスタジオセットに大きめのカーブミラーが飾られた。先週の放送で紹介された、岡村隆史の結婚祝いとして福井県の社長令嬢が贈ってくれたミラーである。そうか、岡村はこれを家に持って帰らなかったのか。

「妻は欲しがってはいたんですけども、こういう風にセットに入れさせていただいたほうが『あそこに置いてあるなあ』ってわかっていただけると思ったものですから。決して、重いからとかそういう理由ではなくて!」(岡村)

スイカを缶詰にすると「オエッ」と嗚咽するほどまずい

 この日最初のテーマは「なんで缶詰になる果物とならない果物があるの?」という疑問。祖父母が沖縄でパイナップル農家をしているという黒島が回答者に指名されたが、残念ながら彼女は不正解だった。正解は「pH4.6の壁があるから」である。

 詳しく教えてくれるのは日本缶詰びん詰レトルト食品協会の川崎幸正先生だ。「日本缶詰びん詰めレトルト食品協会」なんて協会があるのか。長い名称だな……。

 最初に説明されたのは、缶詰の定義だった。缶詰とは何ぞや? 食品を缶に詰めて密封したのち、過熱によって食品の腐敗の元となる微生物を加熱殺菌し、常温化での長期保存性を与えた食品……と考えるとわかりやすいようだ。

 この内の「加熱によって微生物を加熱殺菌」という工程が、“缶詰になる果物”と“缶詰にならない果物”が分かれる大きなポイントである。ミカンの缶詰で例えると、ミカンを缶に詰める→シロップを入れる→真空にしてフタを閉めるという流れがあり、そこから缶の大きさにもよるが約85℃のお湯に15分つける。このお湯につける工程が微生物を殺菌するために大事で、保存料無しで3年の長期保存ができるようになる理由だ。それにしても、中身ではなく缶詰そのものを加熱殺菌するとは知らなかった。

 さて、ここからが本題。なぜ、缶詰になる果物とならない果物に分かれるのか? そこには、ボツリヌス菌という菌が大きく関係している。食中毒の原因となる菌の1つで、人間が摂取すると吐き気やめまいなどが起こり、死に至ることもある怖い菌だ。ボツリヌス菌のやっかいなところは酸素の少ない状況を好んで発育すること。缶詰は中が真空だから酸素が少ない状況になり、ボツリヌス菌にとっては発育しやすい環境と言える。ボツリヌス菌を死滅させるには基本的に120℃で4分以上加熱しなければならない。……あれ? でも、ミカンは85℃のお湯に15分つけての殺菌だったはずだけど。

 そこで関係してくるのがpHである。pHとは、その物質が酸性かアルカリ性かを表す数値のことだ。pH7を中性とし、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性となるらしい。ボツリヌス菌はpH4.6以下で発育することができないため、缶詰になる果物はpHが低い。つまり、缶詰になるのは酸性が強い果物ということだ。菌が繁殖しない果物を選ぶから、缶詰も限られてくるということ。というか、筆者はpHの呼び方に驚いた。かつては学校の授業で「ペーハー」と呼ばれていたが、現在は「ピーエイチ」と呼ぶらしい。ペーハー呼びすると、その時点でおじさん確定か……。

 そういえば、スイカ、メロン、柿などは缶詰であまり見ない。pH4.6を超えているからである。じゃあ、すっぱい食べ物以外は缶詰にできないということ? いや、理論上はどんな果物でも缶詰にすることができる。でも、pH4.6を超える果物を加熱処理で殺菌しようとすると、100℃を超える温度で加熱する必要がある。それほどの熱を加えると、我々が想像する香りや味と大きく変わってしまう場合があるのだ。

 というわけで、実際に缶詰を作ってみた。「日本缶詰びん詰めレトルト食品協会」の研究施設なら、自分で缶詰を作れるらしいのだ。今回は特別にpH5のバナナとpH5.5のスイカの缶詰を作ることに。無いものは作れの精神は大事! シロップを入れ、市販の缶詰と同じように真空にしてフタを閉め、ボツリヌス菌が繁殖してしまう恐れがあるため加熱器に缶詰を入れ、120℃で加熱殺菌。完成したら、いよいよ試食だ。まずは、バナナの缶詰のほうから。フタを開けるとバナナはピンク色になっていたし、匂いもキツイ。甘ったるい中に焦げが混ざっているような匂いだ。いざ食べてみると、軟らかくなって水を含んだ薄い味のバナナという印象だった。つまり、全然おいしくなかった。続いて、スイカの缶詰も実食! フタを開けるとスイカはオレンジ色になっており、芋みたいな匂いだった。味は、一口食べると「カボチャかな?」と一瞬思うものの、そこから青臭い風味がこみ上げてくる。食べたスタッフが「オエッ」と嗚咽するほどのまずさだ。出来上がりは最悪だった。そういえば、スイカやバナナやメロンのジャムもあまり見たことがない。缶詰がないのと同じ理由だろうか? それも気になった。

 ということで、このテーマの正解は「pH4.6の壁があるから」。VTRの最後、川崎先生から「壁を感じるときはどんなときかな?」と問われたチコちゃんは「民放との壁。そこは越えられません」と返答した。いや、日本テレビが放送していた教育番組『カリギュラマシーン』のオープニングテーマを『チコちゃん』でも流している時点で、民放との壁なんかほとんど無い気がするんですけど……。

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