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日刊サイゾー トップ > 社会 > 政治・経済  > 「大麻使用罪」導入で危惧「社会の逆行と人権侵害」

警察の違法な職務質問と尿検査が横行する? 「大麻使用罪」導入で危惧される日本社会の逆行と人権侵害

わざわざ使用罪を加える必然性がない

 さらにいえば、尿検査自体の正確性にも疑問があるという。

「聞いた事件ですが、20年にわたって大麻を毎日吸っている人が所持で逮捕された際、その数時間前まで吸っていたにもかかわらず、尿検査では陰性だったことがありました。現行の大麻取締法では所持で有罪になりますが、例えば家宅捜索で大麻を押収した被疑者に『それは自分のじゃなくて、友達が自宅に置いていったものだ』などと言い逃れさせないように、実は逮捕後に尿検査を行なって使用も調べる場合が多いんです。でも、まれに反応が出ないことがある。その上で茎と種子の問題も絡んできますから、使用罪が導入されたとしても、もし私が検察側の立場だったら使用のみで起訴するのは躊躇します」(同)

 検察官としては日本の刑事裁判における有罪率99.9%を維持したいし、自分が担当した裁判で無罪判決が下ればキャリアにも影響する。ゆえに、確実に有罪証明できない限り起訴はしない。

「では、有罪証明には何が必要かといえば、大麻の花穂か葉という物証であり、すなわち所持と使用のセットで起訴することになる。でも、それだったら所持罪のままで足りるんです。わざわざ使用罪を加える必然性がありません」(同)

 しかし、厚労省関係者のB氏はこう語る。

「国としては、厚労省の専門家会議で『専門家も使用罪の導入に賛成した』という既成事実を作り、なんとしてでも大麻を厳しく規制したいようです」

 もともと大麻取締法は、所持は違法だが使用は合法という奇妙な法律で、普通に考えれば所持せずに使用するのは不可能だろう。しかし、それでも使用する権利は保障されている。その権利を奪う、つまり人権を縮小する方向への動きは慎重であってほしい。

最終更新:2021/02/20 18:00
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