BTSジョングクのタトゥーにファンは賛否も…彫師の月収200万! 韓国タトゥー文化の変遷を紐解く
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ジェネレーションギャップと韓国タトゥー文化のルネサンス
ジョングクに限らず、韓国アーティストはタトゥーの保有率が高い傾向にある。古くは元東方神起のユチョンとジェジュン、BIGBANGのG-DRAGON、2PMの初代リーダーだったパク・ジェボム、近年ではウ・ウォンジェ、女性ではイ・ヒョリやヒョリンなど、韓国のタトゥーアイコンは数え上げたらきりがない。
ソウルでタトゥーマガジンを編集している筆者の友人は、若手芸能人の約10%程度にタトゥーがあるだろうと推測している。ではなぜ、韓国の芸能界ではタトゥーが流行しているのだろうか?
ここからは、韓国におけるタトゥー事情を掘り下げて説明したい。
韓国でもタトゥーに対するイメージは、世代によって大きく異なる。価値観の違いによるジェネレーションギャップはどこの国でも似たような感じだが、韓国の場合は日本とまったく同じく「イレズミ=ヤクザ・チンピラ」というイメージが根強い国であった。いまでも50代以上の人はタトゥーについて極めて否定的である。
一方、若者層にとってのタトゥーとは、自分を表現するものという認識が強い。特に2010年あたりからは、インスタグラムの人気に伴いタトゥーは日常に浸透し、行動や意識の在り方を左右するイデオロギーまでも急変させた。
この10年間における変革は、人間性を抑圧してきた束縛から人々の精神が解放され、優れた芸術が生まれた中世になぞらえて「韓国タトゥー文化のルネサンス」と表現されている。
韓国のタトゥーアーティスト数は、2013年で約3万人、2021年現在では約7万人いるといわれている。なかでも女性アーティストの増加は目覚ましい。
よりわかりやすく日本と比較してみると、韓国の国土は日本の約4分の1、総人口は5000万人強と日本の約半数である。日本のタトゥーアーティスト数は、総人口1億2000万人のうち約3000人ほどと推測されている。この数字だけでも、いかに韓国のタトゥー需要が急増しているかをイメージしていただけるだろう。
ソウルのタトゥースタジオで働く30代半ばの男性彫師に月収を聞いたところ、200万円くらいだと答えた。仕事は真面目で性格はいたって謙虚な彼は、見た目は年相応に爽やかな好青年で、韓国で人気のBMWに乗っている。購入価格は1800万円だったという。格差の広がる韓国社会において、実力で生き抜いているタトゥーアーティストは、いまや憧れの職業なのである。
次回は、韓国文化がグローバル化していく過程で、急激にパラダイムシフトを巻き起こしたタトゥーカルチャーを振り返っていきたい。
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