『俺の家の話』一瞬だけ映り込んだトーク画面に号泣…細部まで仕込まれたクドカンのメッセージ
#長瀬智也 #宮藤官九郎 #俺の家の話 #金曜ドラマ
宮藤官九郎が手がける金曜ドラマ『俺の家の話』(TBS系)の評価が上がり続けている。
『俺の家の話』は、人間国宝で要介護の父・寿三郎(西田敏行)を有する観山家での出来事を描いたホームコメディ。“親の介護”というヘビーなテーマをクドカンタッチで軽快に仕上げているが、だからといって単なるコメディドラマにはなっておらず、人間の不器用さや親子の深い愛に共感したり考えさせられる内容となっている。視聴率こそパッとしないものの、ドラマ好きからも「見れば見るほど深い」と好評な作品だ。
そんな『俺の家の話』、2月12日に放送された第4話で描かれた、心温まる一幕を紹介したい。
観山家の長男・寿一(長瀬智也)は、かつて寿三郎がガールズバーで出会った女性に、能の動画やボイスメッセージといった奇妙なラインを送っていたことを知る。そこに、寿三郎が愛する介護ヘルパー・さくら(戸田恵梨香)が現れたので、寿三郎とのLINEを見せてもらうことに。
さくらからスマホを受け取りトーク画面を開くと、そこには驚愕の“おじさんライン”が。毎回長文、しかも連投。一人称は「じゅじゅ」、これでもかというほどふんだんに使われた絵文字。名詞の後にそれになぞらえた絵文字を添えるのも、おじさん特有の技だ。そんな寿三郎の愛のメッセージに対し、さくらの返信は「私も」の2文字のみ。それでも長文連投をやめないこの構図に、既視感を覚えた視聴者も多かったのではないだろうか。
トーク画面は一瞬しか映らなかったため、内容まではよく見えず、“おじさんライン”の印象が色濃く残った。しかし、巻き戻してよく見てみると、トーク内容には寿三郎の息子たちへの不器用な愛が散りばめられていたのだ。
「寿一とお散歩に行ってきました あいつ散歩中に近所のお婆さんを助けたんだよ 馬鹿力ってやつですね さすが元プロレスラー さすが俺の息子」
「お昼ご飯食べた?じゅじゅの今日のご飯は寿限無が作ったカレーライス」
「寿限無がカレーに大きい肉を入れてくれたよ あいつはカレーライスの醍醐味を分かってる」
「パンケーキまた食べに行こうね 寿一が小さい頃はよく家で食べてたなぁ」
寿三郎がさくらに話していたのは、寿一や寿限無(桐谷健太)のことばかり。そう、この第4話で発覚したことなのだが、実は寿限無も寿三郎の息子だったのである。普段は息子たちを愛する素振りを見せない寿三郎だが、本当は息子たちのことが大好きで誇らしくて仕方なかったのだ。おそらく、寿一が近所のお婆さんを助けたときも、寿三郎は面と向かって寿一を褒めたりはしなかっただろう。寿限無が作ってくれたカレーに肉がたくさん入っていても、ただ満足気に食べるだけだっただろう。でも本当はいつも心の底から嬉しくて、その温かい感情を、大好きなさくらに共有したかったのだ。
トーク画面が映ったのはほんの数秒で、内容までしっかり読めた視聴者はそう多くなかったはず。そんな細部にもメッセージをこめる、クドカン率いる制作陣はさすがとしか言いようがない。一見豪快でありながら、丁寧に作りこまれている『俺の家の話』。随所に散りばめられた小さなメッセージも見逃さないように視聴したい。
■番組情報
金曜ドラマ『俺の家の話』
TBS系/毎週金曜日22時~
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、桐谷健太、西田敏行、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村 仁成(ジャニーズJr.)ほか
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未、佐藤敦司
音楽:河野伸
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/
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