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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 菅義偉、貴乃花…息子に翻弄される父親たち

菅義偉、貴乃花…息子に翻弄されるも“父親として優れている”のはどっちだ?

貴乃花、やっっかいな息子・優一との確執

 菅の長男の問題は後で触れるが、貴乃花(48)も息子には苦しめられているようだ。以前から、息子と母親の河野景子は一体で、何かというと貴乃花に反発していたと聞く。

 その息子・花田優一(25)が、母親が離婚し、別の男ができて一段落したからなのか、週刊女性で「父親である貴乃花にモラハラや暴力があった」と告白したのである。

 それに対して貴乃花は、新CMのオンライン会見で、「息子は完全に勘当しております」といい切り、親子なんだから直接話し合えばという声には、「話し合って解決できる段階は、もうとっくに通り越しています」と突き放した。

 文春で貴乃花は、なぜそういったのかについて語っている。貴乃花のいい分を丸ごと信じるわけではないが、息子への教育の仕方や、なぜ、勘当したのかについて頷ける部分は多い。

 息子は高校時代、「イタリアに行って靴職人の修業をしたい」といい出した。息子を大学まで出したかった妻は猛反対したが、「私は靴職人という目標を持ったのはよいことだと思い、『大学は何歳になってもいけるから』と言うと(妻は=筆者注)納得しました」(貴乃花)

 約3年後に戻ってきた息子は、靴職人としてメディアに取り上げられるようになった。だが、まだいっぱしの職人でもないのに、テレビに出てチヤホヤされるのは息子にとってよくないし、本当の靴職人に対しても失礼だと貴乃花は考えたが、テレビに売り込んでいたのは妻だったという。

 文春によれば、息子はイタリアの工房で修業したと主張しているが、現地で通っていたのは「アートデザインの専門学校」だったそうだ。

 そんな折、息子と貴乃花が暴力沙汰になる。息子は「道端で一時間半くらいつかみ合って……殴られて」と語っているが、元横綱に力でかなうわけはない。

 それから「靴職人という職業を知ってもらう」(貴乃花)ために、息子を後援者を通じてプロダクションに入れる。だが、1年も経たないうちにプロダクションの責任者から、息子の素行が悪すぎるといわれてしまう。

 約束を守らない、仕事をドタキャンする、父親の顔の利くレストランや銀座のクラブで豪遊しているというのである。その上、息子に靴を注文するために20~30万円を支払ったが、いつまで経っても届かないという客からの苦情が殺到し始めたという。

 さらに貴乃花をして許せないと思わせたのは、息子が結婚した相手に対する“非道”だったそうだ。貴乃花と仲のいい陣幕親方(元前頭・富士乃真)の長女である。

 しかし、息子は結婚後も他の女性といるところを週刊誌に撮られたりしたが、妻も「自分勝手な息子の側に立ち、あげくは、私にも内緒で息子と一緒になって離婚届を書かせようともしていた」(貴乃花)。結局、1年ほどで別れてしまった。

 このことが貴乃花に離婚を決意させたという。「我が子が自分の妻を大切にできていないのに、自分たちだけ夫婦を続けるわけにはいかない」と考えたからだというが、すでに夫婦の仲は崩壊寸前だったのであろう。

 その後、相撲取りにとっては命ともいうべき「マゲ」を息子が自宅へ持っていってしまったことや、大切にしていたハーレーダビッドソンを勝手に売り払ってしまったことがあったという。

 それを咎めると息子は、始めから喧嘩腰の口調で、「てめえなんか、親でも何でもねえんだよ!」といったという。

 息子と話したのは、それから数か月後。貴乃花はこういったという。「お客さんのために靴作りをしっかりやれ」「表舞台に出るのは勝手だが、私の名前は使うな」

 貴乃花のこれまでの言動をすべて肯定するわけではないが、息子への「忠告」を読む限り、菅首相よりも父親として真っ当ないい分である。

 私にも3人の子どもがいる。上は不惑になるが、3番目の次男は30代半ば。バンドを組んでロックをやっている。高校時代に「ロックをやりたい」といい出し、大学には行かずにロックの専門学校に入った。

 それから早十数年。売れはしないがロックをやりながら、居酒屋で働いている。私には息子を秘書にしてやる才覚もなければ、マンションを買ってやる資力もない。息子が夜中に帰って来て風呂に入る音を聞いて、「生きている」と思うだけである。

 次男はおそらく、親父に地位やカネがあったらと思っているだろう。耄碌するだけで甲斐性のない父親を見て、「オレの人生知れたもの」とひとりごちているのではないか。気の弱い父親は、そんなことを口に出せず、聞くこともできず、夜、天井を見ながらため息をつく。父親というのは実に辛く哀しいものである。

 菅首相は長男に仕事もカネも与えた。だが、人としてやってはいけないことがあると、教えはしなかったのだろう。貴乃花のほうが父親としては菅首相より優れているように思う。   
だが、結局、子どもは親の思う通りには育たないのだが。

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