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EXIT兼近、森喜朗女性差別騒動への論点ずらしにガッカリ…日本にはびこる差別軽視の根深さ

EXIT兼親、森喜朗女性差別騒動への論点ずらしにガッカリ…日本にはびこる差別軽視の根深さの画像1
写真/GettyImagesより

 ここ最近ずっとネットとテレビを沸かせている森・元総理大臣&東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会(元)会長の、女性蔑視発言からの辞任騒動、及び川淵三郎・Jリーグ初代チェアマン指名騒動。

 これにからんで11日のインターネットニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA TV)で人気お笑いコンビEXITのりんたろーさん。と、兼近大樹さんが言った発言が、さらにまた別の方向へと波紋を呼び、14日放送の「サンデージャポン」(TBS系)でも、その発言を受けて「SNS上で飛び交う森会長批判は”ネットリンチ”なのか?」という特集を組んだ。

 番組では「女性が多い会議は時間がかかる」という言葉だけが切り取られてクローズアップされて森さんへの批判が高まり、そのことからネットでは「もはや森会長が何を言ったかは関係なく、批判したいから批判してますよね」という声があると紹介していた。

 そしてEXIT兼近さんの「何よりも今回で気持ち悪いなって思うのが、自分が被害のお呼ばないところから石をひたすらぶつけて『降ろしてやったぞ』と。ただただ攻撃することが目的になっちゃってる。もちろん発言自体は許されることじゃないかもしれないですけど、ほんとに全文聞いたのか?」というABEMA TVでの発言も紹介していた。

 ちなみに番組では紹介されなかったが、相方のりんたろー。さんは、「ネット上で川淵さんのあらさがしが始まっている。見失っちゃいけないのは、本来の目的はネットで吊るし上げて抹殺することではなく、オリンピックを成功させること」とABEMA番組内で発言していた。

 そうした「サンジャポ」のVTR明けで「どうですか?」と意見を求められたモデルの藤田ニコルさんは「私はこれ、全文読んでイヤだったです。ただ確かに切り取りはマスコミのみなさんはやりすぎだなと、このニュースだけでなくても思います」と笑顔で発言。まったくその通りだ。

 森元首相の発言には女性男性問わず、多くの人たちが女性蔑視を感じて批判した。また発言からは、会議で異をとなえたり、自分の意見を言う人を疎ましく思い、排除したい森元首相の気持ちが表れていたことも大きな問題だとも言われている。

 兼近さんもABEMA番組内で「森元首相の発言自体は問題だが」としていたが、それがどういう問題かをどこまで理解していただろうか? 

 まず森さんは元総理大臣であり、国会議員を長年務めた人であり、オリンピックという国家あげて税金を使って行う大会の組織委員会の会長だ。公職にあり、権力がある。そうした人が発する差別的な発言には、問題点をきちんと理解してもらって、心からの反省と謝罪が求められる。それは現役の国会議員などが問題発言や問題行動をしてしまったときと同じで、それができないなら(森さんのあの逆切れ会見からは、理解も反省も見てとれなかった)、辞任もやむなしだ。

 また、それに対して有権者である私たち国民が声をあげて、謝罪や辞任を求めることは民主主義社会にあってあたりまえのことで、当然の権利だ。それが行えないなら、独裁国家になってしまう。

 兼近さんもりんたろー。さんも、そのあたりまえのことを見誤ってなかった? どうでしょう?

森発言に小山ティナ「切り取る、切り取らないもなにもない」

 私は正直、心配している。EXITのおふたりに限らず、ネットにいる多くの人が、そうやって民主主義のあたりまえのプロセスと、芸能人やスポーツ選手などのスキャンダルをバッシングしていくことの区別さえもつかないことを。その2つはまったく意味が違うのに。

 ちなみに森元首相は首相在任中もさまざまな失言があり、それに対して当時は大きな影響力を持っていた、新聞や週刊誌がやはり批判の嵐を起こしていたこともある。

 そして、やっぱりガッカリするのは、EXITのおふたりも、ネット民の一部の方々も、女性蔑視の発言という罪深さへの共感がないことだ。世界は森発言に大いに異を唱えた。ドイツやフィンランドやスウェーデンなどの各国の大使館も異を唱えるツイートをしていた。それほど、大きなことなのだ。

 でも今、女性差別があるというと「またですか?」などとイヤそうな声をあげる人が多くいる。いや、女性問題に限らず、そもそも「差別だ!」というと、イヤそうな声を挙げる人が大勢いる。でも、今、日本は差別がはげしくまん延している。女性だけに限らない性差別、民族差別、移民差別、障がい者差別など。格差が拡がり、コロナ禍で混乱が深まる中で、不満のはけ口として、誰かを差別する。そのことにメディアに出てくる人たちはもっと敏感になって、そこにこそ怒ってもらいたいんだけど?

 ちなみに「サンジャポ」では、新世代モデルの小山ティナさん(18歳)も「森さんの発言を聞いたときは、何を言ってるんだと思った。(発言を)切り取る、切り取らないもなにもないです」と堂々と言い、藤田ニコルさんは「(たとえ思っても)こういう場でわざわざ選んで発言するものなのか?」と言っていた。なんて、たのもしい! 

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最終更新:2021/02/16 21:51
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