西野亮廣「西野は絶対に嘘つかない」 エンタメの神からの御託宣と“ボケ”の共通点
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西野亮廣「西野は絶対に嘘つかない」
自身が原作を務めた『映画 えんとつ町のプペル』がヒットしているというキングコングの西野亮廣。そんな西野が9日の『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)に出演していた。
西野は同番組に何度か出演していて、いずれの回も「時代に取り残されつつある博多華丸・大吉と千鳥に、西野が生き残る術をレクチャーする」といった企画がお送りされていた。そしてその都度、千鳥の大悟が「捕まってないだけの詐欺師」「もう捕まらない詐欺師」などと西野を形容して笑いを生むなどしていた。
今回もまた、西野は2組を前にレクチャー形式で話し始める。
「知名度の高いタレントになって安心しているといずれ滅びる」
彼いわく、「認知タレント」と「人気タレント」は違う。認知タレントとは、デパートで開かれる無料イベントで多くの人を呼ぶようなタレントのこと。対して人気タレントとは、有料の単独ライブが満席になるようなタレントのことだという。
西野は、横軸に認知度を、縦軸に信用度をおいた座標軸を用いて説明を続ける。人気タレントになるためには、認知度よりも信用度を高める必要がある。たとえば、千鳥の大悟は信用度が高いが、ノブは信用度が低い。なぜなら、番組のことを考えて忖度したコメントが多いからだという。
「あんまりおもんないアイドルのエピソード聞いて笑って、腹抱えて、そういう嘘を散々ついてきたじゃないですか」
対して、実業家の堀江貴文や編集者の箕輪厚介などは信用度が非常に高いという。「絶対に嘘をつかない。要はマズいものをマズいって言う」から、らしい。なお、西野によれば「迷惑系YouTuber」は信用度が低いという。信用度が高ければ浮気も世間から許されるそうだ。こうなると、ここで「信用度」と呼ばれているものが何に基づいているのかが個人的にはよくわからなくなるけれど、それはおいておく。
西野は最後に、ノブらにアドバイスを送る。
「嘘をつかない。嘘をつく番組に参加しない。信用っていうものを非常に大事にしていただきたい」
さて、そんなレクチャーの間には、西野のギャグのような言動や、それに対する共演者(特に大悟)からのツッコミが挟まれていた。たとえば、座標軸を前に西野が「僕はすべての答えを知っています」「エンタメの神なんです」と言うと、大悟が「お前が一番信用度薄いやん」とツッコミを入れる。あるいは、自身の信用度は高いと自負する西野が「西野は絶対に嘘つかない」と言うと、大悟が「いや、嘘つくやつが言うセリフやん」と即座にツッコむ。
もちろん、「エンタメの神」にせよ「絶対に嘘つかない」にせよ、西野の発言は周囲からのツッコミを前提としたボケとしての側面、あえてなされた“放言”としての側面があるのだろう。もっといえば、「この世のすべてを知り尽くした顔でレクチャーをする」という構図自体がボケだったりもするのだと思う。
ただ、ボケるとはある意味で嘘をつくこと、「おかしなことを言う人」を演じることでもある。ツッコミもまた、そういう嘘を修正しようとする嘘、「おかしなことを言う人に付き合う人」を演じることでもある。
自分は嘘をつかないと言う。嘘をつかなければならない場所からの撤退を周囲にも勧める。そんな一連の発言を「ボケ≒嘘」をまぶしながら繰り出し、周囲からの「ツッコミ≒嘘」で笑いとして許容される。こういう振る舞いは、一般的に信用度を高めることになるのだろうか、どうなのだろうか。
私にはよくわからないけれど、たぶん「エンタメの神」にはすべてわかっているのだと思う。
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