中国人の「アジア留学ブーム」到来? 留学生が日本を選ぶワケ、韓国を選ぶワケ
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韓国が人気なわけは…?
アジアには、日本以外にも中国地域出身の留学生の数が多い国が他にもある。増加が顕著なのが韓国である。
韓国ではコロナ禍以前2019年の段階の統計では、16万165人の外国人留学生が学んでいるとされている。そのうち、中国地域からの留学生数は7万1067人で全体の約44%を占めている。ちなみに2009年の段階では5万5025人で、その数は毎年増え続けているが、韓国には他の国・地域からの留学生も増えているので、割合としては減っている形になっている。韓国を留学先として選んだ、韓国外国語大学大学院・修士課程の周さん(24歳)は言う。
「韓国に来る前に、日本も留学先として考慮したことがありました。私だけではなく、周りの在韓中国人留学生たちも韓国と日本の間で迷ったことがあったと言っています。日本に比べて韓国の方が費用的にお手頃ですから。なるべく早く、確実に海外大学の入学許可書とビザを取れるという面においては、韓国の方がハードルは低く、成功率も圧倒的に高い。費用を負担する親に安心感を与えことができるという理由も大きいです」
一方、出前の韓さんは、韓国留学を選択するメリットを次のように補足する。
「韓国の場合、英語の成績だけでストレートに大学の正規学生として入学できる大学が多くあります。日本に行くと、日本語学校、大学入試(センター試験)あるいは大学院研究生を経て、ようやく学部や大学院の正規課程に入れる。予備留学生にとって相当な負担です。国内にある家族の人脈を生かして就職や起業できる資源を持っている子にとっては、短期間で海外の学位を取得して、留学派として帰国するのが大事。近年は英語圏からの海帰も多いので、韓国留学派か日本留学派かはそれほど大差がありません。韓国では英語が話せる機会も多く、国際ビジネスで活躍できると思う留学生も増えています」
韓国では、慶熙大学校、成均館大学校、高麗大学校などが、中国地域出身の留学生たちを数多く受け入れているようだ。
ポストコロナ時代に、中国で「アジア留学ブーム」が訪れるのかどうか、今後の情勢を見守る必要があることもさることながら、中国の留学予備学生や親たちの目に日本・韓国などアジア各国は教育環境としてどう評価されているのかも、ウォッチすべき興味深いテーマのひとつとなりそうだ。
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