中国人の「アジア留学ブーム」到来? 留学生が日本を選ぶワケ、韓国を選ぶワケ
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コロナ禍の影響で、海外留学を希望する学生たちの進路が制限される事態が世界的に起きている。ワクチンの普及、各国入国制限の方針など、今後どのように影響が緩和していくか余談をゆるさぬ状況だ。
現在、日本で学ぶ留学生の出身地域として最も多いのは中国だ。コロナ禍が本格化する以前の文部科学省の統計によれば、2019年(5月1日時点)の外国人留学生は約31万2214人。そのうち、中国地域からの留学生は12万4436人で、およそ全体の25%を占めていた。
コロナ禍は各国の往来制限という影響以外にも、中国の教育関係者や“留学予備学生”たちの中にとある心境の変化をもたらしているという。4大直轄市の1つである中国内陸部・重慶市の留学事業関係者の韓さん(38歳)は言う。
「これまで、留学を希望する学生たちに人気だったのは、米国をはじめとする欧米各国でした。しかしコロナ禍は、欧米における中国人やアジア人に対する差別心や風当たりの冷たさをまざまざとみせつけた。学生たちのみならず、親たちの間でも、アジア各国を留学先として選んだ方が安心なのではないか、という考えが広がり始めています」
同教育関係者は、日本は人気が依然と高く、今後も留学先として選びたいと考える学生は増えるのではないかと付け加える。では、急激に変化を遂げる中国社会のなかで、日本の人気が変わらない理由は何か。
「やはり中国では、いまだ日本というブランドは強い生命力をもっていますね。世界の強大国となった自国に一般の中国人たちは矜持を持っていますが、長らく世界的な強大国に君臨してきた日本をリスペクトしている。歴史的な要因もあって、ただ日本が好き、嫌いとは単純に言えないですけど……。いずれにせよ、中国では『親日』とか『反日』という安易なものの見方でなく、理性的な対日感情を持っているひとが多い」
日本の留学先としての人気の要因は、先進国の中のおける「留学コスパの高さ」もあると韓氏。これまで一番人気だった北米やイギリスに比べれば、明らかに費用が安い。家族観念が強い中国人にとって、隣国の教育先進国で留学しながらいつでも簡単に帰国できるというメリットも相当強いという。場合によっては中国国内の勤務先などから帰省するより、日本から実家に帰るのがもっと早いことも十分あり得る。
「アニメやマンガなどはもとより、最近中国の若者世代の中では日本のアイドル、声優、コスプレなどのオタク文化がかなり普及しています。こうしたサブカルチャーに対する憧れから日本に留学しようとする若者も、どんどん増えています」(韓氏)
なお、中国人留学生が進学を希望する日本の大学として人気なのは、早稲田大学、旧帝国大学などがある。早稲田は李大釗、陳独秀など著名な中国共産党革命家たちの出身校ということもあり、中国では東大並に認知度が高い、日本屈指の名門大学と知られている。旧帝国大学はノーベル賞受賞者が多く輩出されることがよく知られ、特に理系の学生たちに人気を集めている。
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