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「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」TAIGAの涙で見た、お笑い芸人が揺れるリアルと演出の間

リアリ“ティ”が許されなくなったバラエティ

 僕はリアリティショーを見る時に完全なるリアルだと思って見ることはない。『ガチンコファイトクラブ』、『あいのり』など、過去に放送されたリアリティショーに台本があったという話があるように、今のリアリティショーにもある程度の演出があると思って見ている。それがテレビのリアルで、エンターテイメントのリアルなのだ。

 悲しいことにテレビは僕が子供の頃に見ていた手の届かない世界ではなくなり、いつの間にかリアルなものしか許されないものになってしまった。それはを僕はとてもつまらない世界になってしまった、と思う。

 考えて欲しい。

 皆さんは素の自分で人に接しているだろうか?

 少なくとも素の部分は見せず、外で見せる自分にはある程度自己演出をしているはず。良く思われたいから腹が立っても顔に出さなかったり、相手の成長を願い憎まれ役になってみたり、素の自分では無い自分で人と接している場合がほとんどだろう。

 普通の生活にも少なくとも演出があるのだから、テレビに演出があっても許されるべきである。

 業界に身をおく方以外にとって、エンターテイメントは娯楽であり、趣味であり、日常の仕事や生活を一瞬でも忘れさせてくれるストレス解消のツールかもしれない。

 演出があろうがなかろうが、面白いを素直に面白いと感じる寛容な心と、現実世界ときっちりわけて認識するマインドがあれば、あの頃の面白いエンターテイメントが復活する日もそう遠くはないだろう。

 いつか半魚人がカフェを開く日がまた、来ますように。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2021/02/11 19:00
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