ゴールデンで地球規模? 千鳥・大悟のミクロでマクロなズラし笑い
#アメトーーク! #千鳥 #テレビ日記 #相席食堂
大悟「あれってよう考えたら、何がおもろいん?」
大悟のそんな視点のズラし方は別の番組でも随所で見られるものだ。
たとえば、4日の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)にて。去年から仕事でまったく手応えがないと語るかなで(3時のヒロイン)は、最初にテレビに出たときはキレキャラがウケていたのだという。では、改めてこの場でキレてはどうか。そんな流れになるのだが、相方のゆめっちいわく、今回の収録はひな壇に意識しているシュウペイ(ぺこぱ)がいるから、かなではキレられない。
これにかなでが「ホントのわけないでしょうが! だって私、好きな人いますもん!」とキレキャラで応じる。が、周囲が「誰?」とたずねると、「え……それは言えないですよ」と彼女は“素”の表情に戻る。その演技力が生む激昂と冷静の落差。バラエティ番組のノリのようなものに乗らないかなでの挙動が、スカしとなって笑いを生む。
周囲もこの笑いに対し、「普通の女の子やないかい」といったツッコミで笑いを増幅させる。が、大悟は笑いながら少し引いた視点で次のように言った。
「そのほうがええと思うワシは。かなではもう女の子でええ。今までみんな言うてきたけど、もう言わない時代でいいと思う」
あるいは、5日の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)。松本人志がゲストとともに語らう「酒のツマミになる話」の企画で、大悟が語り始める。
「テレビで僕らずっとおるんですけど、このシステム何? みたいなんで……」
バラエティ番組につきものの番宣。俳優や歌手などがゲストとして出演し、番組内で映画やドラマ、新曲などをPRするシーンだが、そこで周囲の芸人から「番宣かい!」というツッコミが入ることがある。そんなノリを大悟は問い直す。
「あれってよう考えたら、何がおもろいん?」
もちろん、大悟は自分もそんなツッコミをしたことがあると語る。また、その場にいた俳優の坂井真紀が「確かに番宣で出てるんですよ。でも番宣だけで出てるつもりないです」といい、松本人志の「ちなみに今日はなんなんですか?」というフリに坂井が「番宣です」と応じると、大悟はいち早く「番宣かい!」と松本と共にツッコんで笑いに変えた。
大悟はしばしばこのように、テレビの“お約束”のようなものを問い返す。テレビに潜在する暗黙の了解のようなものを俎上に載せ、疑問符をつけて笑いに変える。もちろんそれは“お約束”の破壊ではなく、ましてや否定でもなく、 “お約束”をフリにして状況を少しズラした別の笑いの創造だけれど。
そんな大悟のテレビ内でのポジションを的確に表現したようなトークも先週は聞かれた。それは先述の『アメトーーク!』でのワンシーン。まず、屋敷裕政(ニューヨーク)が『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のスポーツテスト企画に呼ばれたときの状況を「中3の部室に呼ばれた中1みたいな顔になる」と表現した。
「あれってマジで、中3の部室に呼ばれた中1みたいな顔になるじゃないですか。中3の先輩がいるんすよ。ザキヤマさんとか有吉さんとか。その中3の先輩の前で、『シュウペイでーす』とか言うしかないんです。中1の笑いのとり方が一番求められるんです」
屋敷のこの卓抜な比喩に刺激され、狩野英孝はずっと留年している中1、かまいたちは中2だけどたまに濱家隆一だけ中1に戻る、藤本敏史(FUJIWARA)はひとりで誰よりも元気な中1と中3をやっている――と周囲も巻き込んでトークは芸人の相関図作りへと展開していくのだけれど、そんな中、大悟が『ロンハー』の同企画での自身の立ち位置を次のように触れた。
「ワシも中1でも中2でもないような顔でおったよ。他校のやつが見に来てるみたい」
先輩・後輩のタテ関係の外側にいる、けれどそのタテ関係を理解していないわけでもない「他校のやつ」。その場のルールを熟知しつつも、素知らぬ顔でそのルールにツッコミを入れて笑いを生む存在。大悟のテレビの中での立ち位置がいろいろと腑に落ちるようなひと言だった。
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