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WHOの調査前に中国が証拠隠滅? 新型コロナに関する300以上の資料が消失

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メディアに登場して疑惑を否定した石正麗氏は、中国科学院から模範労働者の称号を授与された(武漢ウイルス研究所のホームページより)

 新型コロナウイルスの発生から1年以上が経ち、中国はようやく世界保健機関(WHO)の国際調査団による起源調査を受け入れる意向を示しているが、さすがに遅すぎたようだ。

 英メディア「The Mail on Sunday」(1月9日付)によると、中国国家自然科学基金委員会がインターネット上で公開していた新型コロナウイルスに関する300以上の資料が消えていることが発覚した。

 それには武漢ウイルス研究所が行っていた研究、動物から人への感染に関する研究も含まれ、同研究所の石正麗氏による重要な研究データも消失していた。石氏はコウモリが棲息する洞窟でサンプルを収集して研究を行っていたことがあり、新型コロナウイルスの起源においてカギを握ると目されている人物だ。

 そうした暴挙に対し、英保守党のイアン・ダンカンスミス元党首は「中国は明らかにエビデンスを隠そうとしている」と断じ、「その研究室で何が起こっていたかわかりません。 彼らがコウモリのコロナウイルスをいじって、ある種の間違いを犯したのかもしれません。 中国が精査されない限り、世界は彼らに何か隠さなければならないものがあると思うでしょう」と話す。

 記事によると、2019年12月に武漢でSARSのような肺炎が発生したという警告が発出された数日前には、武漢ウイルス研究所がウイルス性病原体のデータベースの変更を行った。同データベースは、野生動物のウイルス変異体に関する情報が含まれているという点でユニークだったが、「野生生物」や「野生動物」などのキーワードが削除され、「コウモリと齧歯(げっし)類」あるいは「コウモリとネズミ」に書き換えられた。また、「新興感染症」や「異種間感染症」といったワードが消去されたという。

 こうした行為が明るみになればなるほど、武漢ウイルス研究所への疑惑は深まるばかりだ。起源調査にはWHOではなく、消去したデータを復元できるITの専門家が行ったほうが良さそうだ。

中山介石(ライター)

1970年、神奈川県横浜市生まれ。日本の食材をハンドキャリーで中国に運ぶ傍ら、副業として翻訳・ライター業に従事している。

なかやまかいすけ

最終更新:2021/02/10 07:00
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