「週刊少年サンデー」休刊の一歩手前? 突然の32ページ減に踏み切った台所事情
#マンガ #小学館 #出版業界
週刊少年マンガ誌「第3位」と言えば聞こえはいいが、内情はかなり厳しい状況のようだ。
一部のマンガファンが目をパチクリさせたのは、2月3日発売の「週刊少年サンデー」(小学館)の“薄さ”だった。
「女優でフィギュアスケーターの本田望結が表紙を飾った同号は、前号から32ページも減り、390ページで定価は変わらずの税込み340円。一方、同日発売の『週刊少年マガジン』(講談社)は468ページで300円、2月1日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)は498ページで290円、ちなみに4日発売の『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)も424ページで320円と、『サンデー』の割高感が際立っています」(サブカル誌ライター)
束(本の幅)が薄くなったものの、「サンデー」のラインナップを見ると、稼ぎ頭の『名探偵コナン』をはじめ、同誌の看板作家家・高橋留美子の『MAO』、『この漫画がすごい!2021』(宝島社)で第2位に選ばれた『葬送のフリーレン』、『ビッグコミックスペリオール』で話題を呼んだ『響~小説家になる方法~』の柳本光晴の新作『龍と苺』など、作品の質では競合誌にけっして見劣りするものでもない。
それだけに、今回のページ減は『サンデー』の窮状が露わになった格好だ。出版関係者が言う。
「直近の発行部数では、『ジャンプ』が約147万部、『マガジン』が約57万部に対して、『サンデー』は約21万部と大きく差がついている。実売率でもライバル2誌よりも5%以上悪く、おそらく実売数は14万部程度でしょう。10年前に『海猿』などで知られるマンガ家・佐藤秀峰がSNSで『某社で最も赤字の雑誌はサ◯◯ー!』と暴露したことがありましたが実際、『サンデー』は何度か大胆な改革を『宣言』するも、その成果は見られず、下降トレンドを変えるまでには至っていない。08年の90万部弱からほぼ同じ角度で落ち続け、下落率も競合誌より大きい。通常、ページ数を減らすのは、休刊がチラついた雑誌の“最期の手段”であることが多いのです。32ページなら原稿料と紙・印刷代、人件費で年間3000~4000万円のコストカットが望めますからね。もっとも毎年『コナン』が映画化されれば、本誌の赤字など立ちどころに埋まりそうですが、今期はコロナで延期となってしまった。それの影響があったのかもしれません」
休刊を前にページ数を減らすことは業界の常識。だが逆に、『サンデー』が薄くなっても実売に影響がないのであれば、競合誌も軒並み薄くなっていくなんてことも?
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事