『プペル』を観た“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が西野亮廣に共鳴!「えんとつ町は出る杭は打たれる現代の日本社会を表している」
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歯に衣着せぬ物言いで人気の“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士が、森羅万象を斬る不定期連載。今回のテーマは、お笑い芸人で絵本作家のキングコング西野亮廣が原作・製作総指揮・脚本を務めたアニメ映画『えんとつ町のプペル』(監督/廣田裕介)だ。「あの絵を2時間見るのはキツイ」と及び腰だった瓜田だが、観賞後、意外な反応を見せた。
映画『えんとつ町のプペル』は、西野が2016年に発売した同名の絵本が原作。厚い煙に覆われた“えんとつ町”に生まれたルビッチが、ゴミから生まれたゴミ人間プペルと共に、煙の向こうにある星を目指す物語だ。
第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した本作は、公開から約1カ月で観客動員130万人、興行収入18億円を突破。「感動した」「泣ける」といった絶賛の声が多く挙がる一方で、西野が主宰するオンラインサロンの会員が脚本つきチケットを大量に購入していることが明らかになり、「宗教的」「まるでネットワークビジネス」などの批判も噴出している。そんなさなか、映画の宣伝をめぐってマネジャーと揉めたと噂される西野が先日、所属事務所の吉本興業を電撃退社。そうしたすったもんだも結果的に、映画のPRにつながっている様子だ。
この話題作の批評を瓜田に依頼したところ、「西野氏に対する好き嫌いは特にないけど、あの絵が苦手。2時間、正視できる自信がない」と難色を示した。しかし、流行り物に目がない瓜田の妻は「どんな作品なのか観てみたい」と興味津々。結局、妻に引っ張られる形で映画館に現れた瓜田は、「途中で寝ちゃったらごめんなさい」と言いながら、鑑賞を開始した。
以下は、終映後のインタビューである。
――いかがでしたか?
瓜田純士(以下、純士) 西野氏に対する先入観が強すぎたせいで、前半はなかなか物語に入り込めなかったというのが正直なところですね。「先入観なしで観よう」「どこの誰が作ったのかわからない作品として観よう」と決めていたんだけど、やっぱどうしても随所随所で、「変な帽子をかぶって目を輝かせている西野氏の顔」がチラついてしまうんですよ(笑)。
――西野氏に対し、どのような先入観を抱いていたのでしょう?
純士 今どき流行りのマルチクリエーターぶった奴。もうちょい悪い言い方をすると、「俺はなんでもできるぞ」というカリスマ性を武器に、信者からカネを集めつつ、次から次へと思いついたことに手を出している中途半端な企画発案者。そいつがたまたま絵本で当てて、勢いで映画まで作ったというイメージです。
――原作の絵本は読みましたか?
純士 あの感情をつかみづらい絵が苦手なので読んでいませんけど、絵本って基本的に子ども向けだから、少ないページ数の中、少ない文字数で起承転結があるじゃないですか。それを2時間の映画に引き伸ばすのは難しいんじゃないか? と不安視していました。映画では案の定、ゴミ人間のプペルに関する説明がほぼないまま物語が進んでいき、プペルと主人公のルビッチが急接近して、急に旅に出る。なんだか雑だし無理くりだな、と。
あとは、必要以上に同情を誘おうとする描写が多いことにも吐き気がして、「もう無理だわ」と早々にリタイアしたくなりました。
――辛辣ですね。
純士 気に入らない点は他にもありました。オリエンタルラジオの藤森(慎吾)氏が声を担当した、鉱山泥棒のスコップって奴がいたでしょ。ああいう、ちょっとしたトラブルのときに主人公の前に現れる、やたらとおしゃべりで、最終的には仲間に加わるお調子者のキーパーソンって、キャラ設定としてありがちすぎませんか?
瓜田麗子(以下、麗子)『ONE PIECE』のウソップのバッタモンみたいな奴か。
純士 実写で言うなら、エディ・マーフィーとかクリス・タッカーみたいな奴ね。西野氏がああいうキャラをオシャレと思って取り入れているところもまた「イケてないな」と感じ、「早く終わんねーかな」と思いながら映画を観ていました。ところが……!(と力を込める)
――ところが、何でしょう?
純士 中盤を過ぎたあたりかな。ルビッチのお父さんの背景を細かく描き出したあたりから、俄然、物語に引き込まれていきました。序盤にちらほら出てきた謎の連中がちょっとずつ参加してきて、いろんなことが絡んできて、紙芝居の伏線も回収された。こんなにもちゃんとしたストーリーが後半に控えていたのか……と唸らされました。
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