五輪協賛企業が悲鳴! 追い銭は取られ、キャンペーンはできず「行くも地獄、戻るも地獄」
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風前の灯火となった東京五輪だが、泣きたい気持ちなのはアスリートだけではない。スポンサー企業からも悲鳴が上がっている。
昨年の今ごろ、誰がこんな事態を想像できたのか──。五輪が延期されただけでも大ニュースだったが、1年経っても状況は好転せず、世論調査を見ると、五輪が開催できると思っている人は1割強程度。もはや中止は既定路線のようにさえ思える。五輪のために研鑽を重ねてきたアスリートには、ただひたすら同情するしかないが、五輪にはビジネスの側面も大きい。運営をサポートするスポンサー企業も微妙な立場に置かれている。広告代理店関係者はいう。
「昨年、延期が決定した時点で、パートナー企業にはスポンサーを続けるかどうかを打診しました。コロナ騒動で業績が厳しい企業が多く、中には致命的なダメージを受けている企業もありますが、幸いなことにスポンサーを撤退した企業はありませんでした。ただ、スポンサー企業には追加費用の負担もお願いしたので、『こっちはボーナスも出ないのに、追い銭まで取るのか』と、嫌味を言われたこともありました」(広告代理店関係者)
中止になれば、いくばくかの金は戻ってくるが、拠出した費用の多くは捨て金になる。それならいっそのこと、さっさとスポンサーを降りる手もあるはずだが、ことはそう簡単ではない。「パートナー企業」に勤める40代男性はいう。
「もし、ここでスポンサーを降りてしまったら、世間は『もうオリンピックはできないんだ』と、思うでしょうし、間違っても世論を誘導する形になりたくない。悪目立ちするのだけは避けたかった。“損切り”をする選択肢はもちろんありましたが、企業イメージが悪くなることを考えると、スポンサーを降りる決断はできませんでした。それなら、大々的に五輪キャンペーンをやりたいところですが、慎重論が多い中でキャンペーンをやれば、『感染拡大を招きたいのか』との批判が寄せられるのは確実。結局、お金だけ払って何もできないのが現在の状況です。
弊社は開催期間中、五輪マークを冠したさまざまな関連商品を展開する予定ですが、あまりに中止発表が直前までずれ込むと、商品発注がストップできなくなるので、デッドラインがいつになるのか、担当部署はやきもきしています。しかも我が社は、無観客開催となった場合、五輪の恩恵をほとんど受けられません。中止になれば、これまで投じた費用はドブに捨てたようなもの。無観客でもダメ。さりとてスポンサーを降りることもできない。『何でこんなことに……』と、みんなため息をついています」(五輪スポンサー企業中堅社員)
開催するか否か、決断の日は間違いなく迫っている。
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