大阪国際女子マラソン、近隣住民からクレームも? テレビ映えしない周回コースで見えた“日本勢の限界”
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1月31日、大阪国際女子マラソンが開催された。国内の女子マラソン大会としては、名古屋ウィメンズマラソンと並ぶ「大阪国際」は、東京五輪を占う上で重要なレース。今大会は新型コロナウイルス感染拡大を受け、わずか10日前にコース変更が発表され、1周2.8kmのコースを14周回る方式で、無観客で行われた。レースは序盤から五輪代表の一山麻緒と前田穂南の2人が飛び出す予想通りの展開となったが、不慣れな周回コースには誰もが戸惑った。
「景色が全然変わらないので、走るほうはもちろん、見ているほうも退屈なレースでしたね。マラソン中継では、沿道の声援や刻一刻と変わる風景を伝えるのもアナウンサーの腕の見せどころですが、今回は話すネタが無いので、ペースやタイムの話しばかり。スタートからゴールまで画面に一番大きく映っていたのはペースメーカーの川内優輝でしたし、周回遅れのランナーがいるためか、伴走カメラを細かく配置できず、3位以下のランナーはほぼ映りませんでした。おまけに、空撮のヘリがずっと同じ場所にいるため、近隣住民から『ヘリがうるさい』という苦情もあったようです」(キー局スポーツ部関係者)
マラソンという競技自体、ハラハラ・ドキドキ感は乏しいが、景色が単調で、映る選手も限られれば、いよいよ「退屈」という2文字が頭をよぎることになる。それでも期待の2人が1位と2位でフィニッシュし、五輪は安泰かと思いきや、関係者の見かたは厳しい。
「五輪の女子マラソンというと、有森裕子が2大会連続(バルセロナ=92年、アトランタ=96年)でメダルを獲得し、シドニー(00年)では高橋尚子が、アテネ(04年)では野口みずきが金メダルを獲得。日本の得意種目という印象があるかもしれませんが、北京(08年)以降は惨敗が続いており、野口が出した日本記録は15年も抜かれていません。
今回の大阪国際は気温10℃でほぼ無風、コースは平坦、ゴールまで男子選手のペースメーカー付きという、この上ない好条件でしたが、期待された日本記録更新どころか2時間20分を切ることもできませんでした。高橋尚子がアジア大会で、気温30℃の中、2時間21分台で優勝したのと比べると、実力の差を感じます。
日本勢が停滞している間に、世界記録は2時間14分台に到達しており、一山と前田のベストタイムとは5分以上の差があります。もう本番までは日がありませんが、もっと力をつけないと、五輪ではレース開始直後に先頭集団からこぼれ落ちてしまうような悪夢もあり得るでしょう」(週刊誌五輪担当記者)
号砲が鳴るのは8月7日。残された時間は多くない。
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