RAIN(ピ)とJYPの質実剛健なニュージャックスウィング! NCT127の新曲と比較して「90’sリバイバル」を考える
#ヒップホップ #K-POP #J.Y.Park #NCT127 #R&B #パク・ジニョン
‘90年代を知るJYPの質実剛健さ’
この曲はバリバリのニュー・ジャック・スウィング(NJS)。JYPは1972年生まれなので、おそらく全盛期を青春時代に体験しているはずです。しかも小1の時に渡米して2年だけNYに住んでいたとか。NJSはマイケル・ジャクソンを手がけたNYの作曲家テディ・ライリーによって80年代後半に生み出されました。音楽的特徴をものすごく簡単に説明すると、ヒップホップの跳ねたビートで歌うR&Bです。この手法は今でこそ当たり前ですが、それまでのR&Bはもっとソウルやディスコに寄ったものしかなかった。これが爆発的にはやり、90年代前半にはスタンダードに定着します。
「Switch to me」は音もMVのダンスも紛うことなきNJS。リアルタイムを知ってる人が表現できる質実剛健さがある。しかも歌詞やMVをコミカルなメタ視点で描くことで、若者に説教するかのようなオヤジのうざみを出さない。リバイバルはあたたかく見守るけど、「俺もいるからね」としっかりアピールはする。このあたりのバランス感覚はさすがの一言。
「First Love」は日本オリジナル曲だけど、おそらくプロダクションは韓国。当時を知らない世代が妄想で作った90年代。筆者も90年代に青春時代を過ごしているので、正直去年NCT Uの「90’s Love」を聴いた時(大好きだけど)「ちょっと違くね?」という戸惑いもありました。だけど「Switch to me」が出た後に聴いた「First Love」はしっくりきた。先輩が後輩をクリエイティブで補完して、シーン全体で説得力を作っていく。現在のK-POPシーンは素晴らしいと思います。
90年代リバイバルと言っても「Switch to me」と「First Love」は似て非なるもの。だけどどっちも最高なので、ぜひ併せて違いを楽しんでみてください。
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