木村拓哉「パラパラ動画」がアメリカで拡散! キムタクが“キッチュな日本文化”のアイコンになる日
#音楽 #SMAP #木村拓哉 #YouTube #バッキー木村 #パラパラ #ヴェイパーウェイヴ #シティポップ
解散からはや4年。SMAPメンバーたちのそれぞれの活動は今も芸能ニュースを賑わせているが、とりわけ木村拓哉の存在感は未だ健在だ。マクドナルドや日産のCMはもちろん、モデルとして活躍する娘らの人気も併せ、今なお幅広い層に支持されている。そして、その人気は思わぬ形で国外にも波及しているようだ──。
『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)内で2000年頃に放映された「バッキー木村」というコントを覚えているだろうか。当時既にやや懐かしい存在だったパラパラを、ホスト風のスーツを着たキムタクが踊るシリーズもののコントだ。真剣なまなざしでパラパラの型を完璧にこなすキムタクの姿を、シュールなギャップとともに筆者は記憶している。
2021年1月26日、@effectuate_というあるTwitterユーザーが、この「バッキー木村」の映像を「このビデオのことをほぼ毎週考えてる」という旨の英文とともにアップロードした。このツイートは瞬く間に拡散され、現時点(1/31日)で約5.5万回のリツイート、動画自体は約320万回再生されている。映像はディズニーとの公式コラボレーションの回で、ミッキーやドナルドダックが「Night of Fire」やトランス・アレンジの「ミッキーマウス・マーチ」で踊る姿に、海外のアカウントから驚き、戸惑い、笑い、さまざまなリアクションが英語で寄せられている。
This video is almost impossible to find, and yet I think about it almost every week. pic.twitter.com/bQA98eqMmx
— ??????????@effectuate_) January 26, 2021
「ミッキーと踊るこの男は何者なんだ?」というリプライには、「彼はTakuya Kimuraという日本のタレントで、SMAPというグループで活躍し……」といった解説も書き込まれる。その際、彼はHayao Miyazakiの作品では声優を演じ、『Yakuza(「龍が如く」シリーズの英語版タイトル)』にも登場している……といった、海外でも知られている日本のアニメ・ゲーム作品を通じての紹介が目立つのも印象的だ。
更にはなんと、SF作家ウィリアム・ギブスンまで、このツイートをリツイートしている。技術が発達しすぎた近未来の世界を描く「サイバーパンク」というジャンルの代表的な存在であるギブスンだが、いったいバッキー木村のパラパラの何が、ここまで広く国も言語も超えてウケているのか?
The father of cyberpunk retweeted me. ?? pic.twitter.com/qDUC7uoaUl
— ??????????@effectuate_) January 28, 2021
前述の、最初にバッキー木村の動画を転載した@effectuate_というアカウントは、普段はヴェイパーウェイヴと呼ばれる音楽についての意見や感想を中心にツイートをしているようだ。ヴェイパーウェイヴとは2012年頃から登場した海外の音楽ジャンルで、インターネットと情報社会、過剰な消費主義、80~90年代へのノスタルジー、そしてかなり偏った日本へのイメージ(漢字、アニメ・漫画、かつてのハイテク先進国etc…)などをテーマとしており、根強い人気を誇っている。
アメリカやオーストラリアのアーティストが、芸名や曲名に日本語(漢字)を用い、日本のひと世代前のアニメやゲーム~シティポップ(山下達郎、竹内まりや、杏里etc…)からの引用・サンプリングで曲やアートワークを創るのが、ヴェイパーウェイヴのシーンでは当たり前になっている。
そのセンスと作品は、日本人から見るとかなり奇妙な印象を受ける。だが世界から見れば、日本という国は今でもそのように、ハイテクとノスタルジーの混在する不思議な国だと思われているのだろう。(前述のギブスンを代表とするサイバーパンクも、ヴェイパーウェイヴとはそう遠からぬコンセプトを持っている。映画『ブレードランナー』での2019年のロサンゼルスの風景、ゲイシャ・ガールがビル街の大型スクリーンに映し出される有名なシーンを思い出してほしい)
ピンプ(女たらし)風のスーツを着込んだ、やけにキリッとした謎の東洋人の男が、凄まじくテンポの速いド派手なシンセサイザー・ミュージックに合わせて、ミッキーマウスと共に、腰を使わない不思議なダンスをテキパキと踊る──海外から見たバッキー木村は、日本人が想像する以上に、謎めいたインパクトと面白さがあるのではないだろうか? ヴェイパーウェイヴのような音楽が人気だと考えれば、それも頷けるところだ。
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