トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 40バイト芸人のふとした“オチ”

蛍原徹「オープニングからもう泣きそう」 40歳過ぎてバイトやめられない芸人のふとした“オチ”

【完成】蛍原徹「オープニングからもう泣きそう」 40歳過ぎてバイトやめられない芸人のふとしたオチの画像1
TAIGA公式Twitterより

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月17~23日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

ぺこぱ・松陰寺「もし僕らが敗者復活で選ばれてたら、絶対炎上してただろうなと思って」

「『THE W』で優勝するまで(バイトを)してたんで」

 3時のヒロインの福田麻貴がそう語るように(『どうしてそのバイトやっているんですか?』NHK総合、1月20日)、芸人が「売れた」エピソードはしばしば「バイトをやめた」経験とともに振り返られる。逆に言えば、「バイトがやめられない」状態は、芸人として「売れていない」状態を意味するものとしてよく語られる。

 21日の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)は、そんな芸人とアルバイトの関係に焦点をあてた企画が放送されていた。題して「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」。

 出演者は、アイアム野田(鬼ヶ島)、久保田賢治(5GAP)、秋本智仁(同)、小田祐一郎(だーりんず)、TAIGA、キューティー上木(上木恋愛研究所)、中村英将(ゆったり感)、菊池優志(ワンワンニャンニャン)、神宮寺しし丸、桑折正之(レアレア)。賞レース決勝に進出したメンバーもいるものの、世間的には必ずしも知名度が高くない面々が並ぶ。

 彼らの口からは、オープニングから哀愁を帯びたエピソードが語られる。たとえば、TAIGAは2014年の『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ系)で決勝に進出したこともあるピン芸人。芸人をしながら会場設営などの大道具のバイトを続けているが、コロナ禍によるイベントの減少でウーバーイーツなども始めているという。

 そんな彼によると、かつては自身の単独ライブの前説を後輩のぺこぱがやっていたらしい。が、周知のようにぺこぱは2019年のM-1でブレイク。今では自分がぺこぱの前説をやっているのだとか。かわいがってきた後輩との立場の逆転。それを聞いた蛍原徹も思わず口にする。

「オープニングからもう泣きそうやねんけど」

 一方で、23日の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)。TAIGAのエピソードの中に出てきたぺこぱの松陰寺太勇は語る。

 昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の敗者復活で、視聴者投票で上位3組に残りながらも決勝進出はならなかったぺこぱ(勝ち上がったのはインディアンス)。このときのことを松陰寺は振り返る。

「敗者復活めっちゃスベって。すげぇスベったなと思ったんですけど、知名度だけで3位まで残っちゃったんですよ。もし僕らが敗者復活で選ばれてたら、絶対炎上してただろうなと思って。インディアンスってなったとき、ちょっとだけホッとしたんですよ」

 野外で行われた敗者復活戦。当日は、ぺこぱの出番中に路上の宣伝カーの音が重なるなど、不運も重なった。ただ、実際のネタのウケ方を見ても、松陰寺の言うように比較的名前が知られた存在であることが視聴者投票の結果を押し上げたのは確かだろう。そして、こういったエピソードを語ることがまた、彼らの人気を支えてしまうかもしれないというジレンマ。

 売れた者には売れた者の、売れていない者には売れていない者の、それぞれの場所での葛藤がある。

12
ページ上部へ戻る

配給映画