電通本社売却検討、密接なテレビ局も人員削減に拍車
#電通 #新型コロナ
大手広告代理店の電通グループが、東京都港区内にある本社ビルを売却することを検討していることが判明した。一部報道では売却額が3000億円にもなるとされており、成立すれば各方面に影響が及びそうだ。
2020年春からの新型コロナウイルス感染拡大を受けて、現在も基本的には在宅勤務が続いている同社。事情を知る関係者が語る。
「地上48階建ての巨大ビルには商業施設も入居するなど、汐留エリアのランドマークタワー的な存在だった。仮に売却が成立すると使うフロアは従来の半分程度に減る見通しのようで、賃貸での入居になる。東京五輪の事業における電通の影響ははかりしれませんが、その一大プロジェクトがコロナ禍のため中止、延期と最悪の可能性が現実味を帯びてきている。これまでつぎ込んだお金も回収できないし、さらに景気も悪化するのでしょうから、それなら今の間に売れるものを売っておこうというのが本音のようだ」
現在の社内はというと「あれだけの大人数が働いていた会社なので、いまだにコロナウイルスに感染してしまうタッフが後を絶たないと聞いている。ただ、問題なのはフロアもだだっ広いため遮るものがなく、もし出社していたスタッフが感染、あるいは濃厚接触者に該当すれば影響はすさまじい。現在は各部署間の行き来も自由にできないなど、閉鎖された中での仕事が続いている」との証言もある。
もっとも、この影響はすでに密接に関係している、テレビ局の営業セクションにも及んでいる。在京テレビ局関係者は次のように語る。
「ナショナルクライアントが多い東京は、どのテレビ局もCM出稿などの営業収入の7~8割近くを稼いでいた大きなマーケットがあったのですが、コロナ禍のためそれも半分以下に低迷している。そのため、東京オフィスの人員削減が猛スピードで進んでいます。各地方から東京オフィスに転勤した社員のうま味は、何と言っても手厚い福利厚生。局にもよりますが、特に家賃補助は今でも大きくて例えば、20万円の賃貸物件なら数万円の負担で住めるほどの補助が出ます。このため、営業スタッフが住むのは目黒、恵比寿、大崎、芝浦など山手線より内側のエリア多い。ただ、そんな時代もまもなく終焉しそうです」
まさに日本経済がガタガタになった象徴が、今回の電通本社ビル売却検討という形になった表沙汰になったのだ。
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