山口組はどうして分裂したのか? 不景気と厳罰化が生み出した「前代未聞の離脱劇」
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神戸山口組の大きな誤算とは?
大きくいえば、こうした要因を受けて、のちに神戸山口組を形成する、山健組を中心とした勢力は生き残りを賭けた大勝負に打って出たといえるのではないだろうか。つまり、時代の変化が「山口組を分裂させる」という不可能を可能にさせたのかもしれない。
だが、それも今となっては誤算だったといえるのではないか。まず、神戸山口組内でも、主流派といえる山健組による金の吸い上げが問題化した。これに不満を募らせ、3分の1ともいえる勢力が離脱。そして、激しい武力行使が起きないと思われていた時代に、六代目山口組は躊躇することなくそれを選び、神戸山口組内サイドに対して実行に移して見せたのだ。その後も、五代目山健組の一部勢力や“金庫番”といわれるほど強い経済基盤を持つ池田組の離脱など、神戸山口組にとっては想定外の事態が続いた。
「今となって思えば、やはりどれだけ不満があったとしても、盃を割るというのは間違いだったのだろう。やってはいけないことだったのだ。組織が嫌で、もうついていけないというのならば、黙って組織を去るしかない。親分が黒いものも白いといえば、それは白になる。そもそもヤクザ組織なんてものはそうした理不尽な上に存在し、それを受け入れるからこそ強固なのだ。それを、トップが諫言や進言を聞いてくれないことを理由に離脱するなんて、よくよく考えればおかしな話だったんだ。現在の神戸山口組の衰退はなるべくして、そうなったのかもしれない」(業界関係者)
この先、現実的に神戸山口組が巻き返しを見せることは考えづらい。残すはどういった形でいつ分裂問題に終止符が打たれるかということだけだろう。確かに山口組では5年前に分裂騒動が起きた。だか分裂当初から、神戸山口組にとっては決して勝つことのできない戦いといえたかもしれない。
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