イギリス国家統計局「驚愕調査」新型コロナ再入院患、約8人に1人が死亡…若者のリスクも危険視
英国で新型コロナウイルスに関する“驚愕”の調査結果が発表された。
1月18日付の英ガーディアン紙は、英国国家統計局(ONS)と一般開業医からのデータに基づいた調査について、新型コロナで入院した患者の約3分の1が再入院し、そのうち約8人に1人が死亡しているとの結果を掲載した。ONSの調査結果についてのレポートも同時にガーディアン紙に掲載されている。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.01.15.21249885v1.full.pdf
調査は、2020年1月1日から同8月31日までの間に、新型コロナウイルスに感染した4万7780人の患者を対象に行われたもので、平均年齢65歳で男性が55%となっている。
新型コロナに感染した20%は感染から5週間後も後遺症が残り、その半数が12週間に及ぶ長期の体調不良を経験したと報告している。さらに、驚くべきことに新型コロナで退院した患者のうち29.4%が退院してから140日以内に再入院し、このうち12.3%が死亡したと報告されている。
再入院率は、新型コロナでの入院以外の対照群の3.5倍に上り、致命率は7倍も高いという結果になった。
調査結果では、新型コロナ感染による退院後の多臓器不全の割合が上昇しており、新型コロナに一度感染することで、“年齢に関係なく”多臓器でダメージを受けることが明らかになった。
ガーディアン紙では、ケンブリッジ大学の集中治療医学のシャーロット・サマーズ博士は、新型コロナ患者の退院後に呼吸器疾患、糖尿病、心臓、肝臓、腎臓の問題などの病気へのリスクが新型コロナ以外の対照群と比較して高かったことは、「重要な問題。こうした病気に対する罹患率と後遺症は、犠牲者数と同じくらい重要」と述べている。
さらに、同教授は、「特に若い人々のリスクが後遺症のレベルで増加しているという研究は、私たちがやるべきことが沢山あることを意味する」と述べている。
この調査結果は、同じ分野の研究者や専門家による評価や検証である査読を行ったものではないが、非常に重要な情報だろう。
現在、英国では新型コロナウイルスの変異種(英国型変異種)が猛威を振るっている。この変異種は他の新型コロナウイルスに比べて感染力が70%あまり強い可能性があると指摘されており、英国での感染者爆発の原因になっているとの指摘もある。
日本国内でも20年12月22日に英国から帰国した男性が、英国型変異種に感染していたことが明らかになっている。この男性は帰国した際に空港検疫では陰性だったが、その後12月29日に陽性と判明した。
1月18日に厚生労働省は、静岡県で20~60代の男女3人が、英国型変異種の新型コロナウイルスに感染していたと発表した。この3人はいずれも英国への渡航歴はなく、また英国からの帰国者等との濃厚接触も確認されていない。
このため、英国型変異種の新型コロナウイルスがすでに、市中に感染拡大をしているのではないか、との懸念も持たれている。
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