『家、ついて行ってイイですか?』たった12日間の結婚生活を送った老齢男女「“家族”じゃないと入れない場所がある」
#家、ついて行ってイイですか? #サンリオ #ピューロランド #マイメロディ #家族
1月13日放送『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)のテーマは「2021年、一歩踏み出す人生7連発!」。本稿で取り上げたいのは、2つの愛の形だ。
一人暮らしでマイメロ愛が爆発、ピューロランドは徒歩5分
八王子でスタッフが声をかけたのは、長髪をピンク色に染めた28歳の男性。よく見ると背負ったリュックもピンク色である。
「(髪を染めたのは)去年の12月からですね。27年、ずっと黒髪でした。最初からピンクを指定しました。親の目もあったんで、一人暮らししたら好き勝手やろうとは思ってました」
スタッフが「家、ついて行ってイイですか?」と尋ねると、多摩センターの自宅にお邪魔することを男性は快諾してくれた。彼が地元・長崎から上京したのは昨年で、生活の場を多摩センターにしたのには理由があるという。
「サンリオピューロランドがあるから。(自宅から)徒歩5分です」
家の中を整理するため15分ほどスタッフに待ってもらい、再び彼が顔を出したとき、その格好はピンク色の部屋着に変わっていた。部屋の中に入ると、靴も傘もマスクもスリッパも全部ピンク色。部屋1面がピンクで、サンリオのキャラクター「マイメロディ」のグッズでいっぱいだった。ピンクはまさにマイメロのカラーである。
「マイメロちゃんは大好きなもので」
ぬいぐるみを始めとしたマイメログッズが6畳の部屋を埋め尽くさんとしている。マイメロの加湿器なんてあるのか! マイメロのプラネタリウムはおしゃれで、スイッチを入れると暗くなった部屋をマイメロが静かに照らしてくれる。
そもそも、彼がマイメロにはまったのは高校時代だそう。この頃から可愛いものを好きになり始め、そのタイミングでアニメ『おねがいマイメロディ』(テレビ東京系)を見るようになった。
「マイメロちゃんの顔といい仕種といい、本当に可愛いなと。正直なところ、『どうしてこうなった?』っていうくらいのレベルですよね(笑)」
しかし、彼のマイメロ愛は周囲から理解してもらえなかった。学校の友人からは「うわぁ、またマイメロちゃん持ってきてる」と言われ、そんな生活に窮屈さを感じていた。それ以上に理解が得られなかったのは家庭内だ。サンリオの月刊機関紙「いちご新聞」を持っているだけで、親からは「あんた、男やろ!」と怒られた。
「そのときは表面的にはポケモンが好きなように見せてました」
好きなものを彼は隠していたのか……。この人は長崎でしんどい思いをしていたはずだ。でも、今の家ではマイメロに囲まれた生活を送っている。実家だとこんな部屋にできなかっただろうに。これこそが、一人暮らしの特権! 予算内で自室を楽しいものにし、周囲に迷惑をかけていないならば、誰に咎められる筋合いがあるだろうか。好きなものは、人間にとてつもないパワーを与えてくれる。東京に来て、彼は本当に良かった。
いや、部屋の中だけでは収まらない。男性はたまにマイメロの服を着て、そしてマイメロのぬいぐるみを持ち、そのまま街に繰り出すこともあるという。
「毎年、新しいマイメロちゃんを持ち歩いてます」
多摩センだからOKである。近くにピューロランドがあるし、変に思う人はいないはず。好きを極めれば無敵だということ。ところで他のサンリオキャラクター、例えばキティちゃんのことを彼はどう思っているのか?
「キティちゃんも可愛いと思いますよ。でも、マイメロちゃん。フワァ~ってした感じが可愛いなあって思って」
マイメロ推しでありながらキティちゃんを否定しないところなど、ファンの鑑だ。気になることはあともう1つだけある。
――ちなみに、恋人はいますか?
男性 「います」
――東京にいらっしゃるんですか?
男性 「はい」
――一緒にサンリオに行かれたりするんですか?
男性 「そこ(サンリオピューロランド)で働いてます」
――えっ!?
男性 「(マイメロのぬいぐるみを抱えて)彼女っす」
まさに、マイメロは俺の嫁! とは言え、彼に結婚願望がないわけじゃない。
「娘か息子がもしマイメロちゃんを好きになってくれたら一緒にピューロランドに通い続けて、親子揃って『いつもありがとう』って伝えます」
自分に正直に、そして明るく生きている人は素敵だ。自分を貫き通すことは大事。サンリオ男子ならではの苦悩を乗り越えた彼の望みは、「マイメロに『ありがとう』を伝えたい」だった。
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