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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 菅野美穂の“バラエティ体幹”とリアリティ

菅野美穂のすごい“バラエティ体幹”とドラマのリアリティライン

‘みやぞん「こういうとこ僕ありますから、気をつけてください」’

 久々に堪能したといえば、15日の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)。報道番組という設定でお送りされているバラエティ番組だが、今回は冒頭で「重要なお知らせ」が。司会の有田哲平(番組内では「アリタ哲平」名義)によると、この春から『脱力タイムズ』は報道番組と歌番組の2部構成にリニューアルするという(これもまたフェイクなわけだけれど)。

 で、今回はそのリニューアルに先駆け、特別企画として「泣ける名曲10選」をお送りする展開。ただ、10曲と言いつつ番組側が用意したのは6曲。足りない4曲はこの日のゲスト、みやぞん(ANZEN漫才)が即興で披露することになった。

 有田がまずみやぞんに振ったのは「涙のソーシャルディスタンス」というタイトルの曲。みやぞんは「ALFEEさんの歌ですか?」などと戸惑いつつ、ギター1本で弾き語りを始める。が、突然の要求にもかかわらず、アドリブで歌われたのはなんだかいい曲。歌い終えたみやぞんも自画自賛する。

「ちょっと……いい歌だったんじゃないですか? 降りてきたんですよねぇ」

 その後も、「涙のうまい棒サラミ味」「涙の菅内閣」などと無茶なタイトルを振られるものの、結局は味のある曲を即興で歌い上げてしまうみやぞん。ゲストの芸人を追い込む展開が面白い同番組だが、この日はそんな番組側の追い込みをみやぞんの“異能”が乗り越えてしまう流れとなった。

 予想外の展開に、有田は「ちょっとすみません、1回止めてもらっていいですか?」「どんなお題をやれば困っていただけるんでしょうか?」などと戸惑う素振りを見せる。対するみやぞんも、番組側の意図を汲み取ってか「駄目だ今日降りてくる」「2個前ぐらいの歌詞がバンバン頭に出てくるんですよ」と困惑の表情を見せる。

「これ違う番組になっちゃいますよ。こういうとこ僕ありますから、気をつけてください」

 最終的には有田が「いやー、参りました。僕も含めた大人がですね、2日か3日ぐらいかけて会議をした企画なんですよ」「我々の会議もまだまだですね」と白旗を揚げる展開となったのだけれど、いや、もはや『脱力タイムズ』に関しては、どこまでが番組の演出で、どこからがハプニングなのか、見ているだけではわからない。今回の流れに関しても、少なくともプランBのような形で想定していたのではないかと思ったりもする。これまで数々の“裏切り”を見せてきた番組は、「『脱力タイムズ』といえば」という形を“裏切る”仕掛けも準備していたというか。考えすぎかもしれないけれど。

 いずれにせよ、みやぞんの“異能”を久々に堪能した放送だった。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2021/09/21 11:21
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