新型コロナ感染拡大、東京よりも地方は深刻 都道府県別に見るPCR検査率
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1月7日、政府は首都圏1都3県を対象に、1カ月間の予定で緊急事態宣言を発令した。
同日、東京都で確認された新規感染者数は、過去最高の2447人にのぼり、全国の約3分の1以上を占めた。感染者数でみれば、東京がホットスポットであるということは間違いない。
ただ、人口のケタが違うことに加え、不特定多数による3密が揃いやすい大都市で感染者が多くなることは、致し方ない。
そこで、厚生労働省が公表した1月5日時点の「各都道府県の検査陽性者の状況」をもとに、都道府県別にあらゆる角度から見てみた。
そもそも、肝心要のPCR検査が普及していなければ、無症状や軽症の感染者の多くは、確認されることないまま放置されてしまう。
そこで、人口に対する「PCR検査率」を見てみると、東京都が7.41%でトップ。次いで沖縄6.34%、大阪が5.48%と続く。いずれも最下位の秋田の0.50%と比べると、10倍以上の違いがあるのだ。
一方で、PCR検査を受けた人のうち、陽性と判定された人の割合を示す「被検者の陽性率」で並べると、まったく序列が異なってくる。
PCR検査率ではワースト2位(0.67%)の茨城県が13.98%で1位に。次に、高知県が11.55%、宮城県の9.00%が続くが、両県はPCR検査率ではそれぞれ0.86%、1.09%と、全国的に見ても低い水準にとどまっている。さらに、被検者陽性率上位6位の県はすべて、全国のPCR検査率である3.74%を下回っている。
「PCR検査率が低い一方、被検者の陽性率は高い」という状況の背景のひとつは、検査を受けるまでのハードルの高さだろう。大都市では、自主的にPCR検査を受けられる医療機関も増えてきた。しかし地方では、一定の症状が確認されなければ検査を受けられないという状況が今なお続いている。そうした地域では、統計には決して表れない、いわゆる「隠れ感染者」の割合が高いことも想像できる。
さらに、PCR検査陽性者の死亡率では、岩手県が6.00%でワースト1位に。陽性者100人中6人が亡くなった計算となり、次点以降の石川県(4.48%)、富山県(4.43%)を大きく引き離している。岩手県といえば、全国で最後まで「感染者ゼロ県」であったが、いまや見る影もない。ちなみに累積死亡者数でトップの東京の陽性者死亡率は1.00%で全国33位だ。
ただ、岩手県のPCR検査率は1.20%にとどまっており、母数に影響する検査数の少なさが陽性者死亡率を大きく見せている可能性もある。ちなみに同ランキングでは上位4県まで、すべて全国のPCR検査率の3.74%を下回っている。
そこで、統計局推計の2019年10月1日時点の都道府県別の人口を用い、人口に占めるコロナ死者の割合を計算。「10万人当たりの新型コロナ死者数」見てみたところ、北海道が突出し9.12人。これに、大阪7.03人、沖縄5.71人、東京4.65人と続く。1位北海道と4位東京では、コロナ死のリスクは約2倍だ。ちなみに全国では2.95人となっている。最下位は死者の出ていない鳥取と島根だ。
とはいえ、日本中に新型コロナから安全な場所などないと考えるべきだ。国民一人一人の自覚ある行動が改めて求められる。
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